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しんどいとき助けになる音楽(11)〜 ボブ・ディラン(2)『ナッシュヴィル・スカイライン』

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Bob Dylan / Nashville Skyline

これもあわせて聴きなおしたから、ついでに書いておこうかな同じボブ・ディランの『ナッシュヴィル・スカイライン』(1969)。やはりカントリー・ミュージックの世界で、アクースティックで丸くおだやか。

で、どういうのがしんどい現在に聴ける音楽なのか?っていうぼくなりの基準としては「肌あたり」なんですよね。サウンド、声質、楽器の音色などがやわらかくて刺激的でないかどうかっていうところを聴いているわけです。

その点『ナッシュヴィル・スカイライン』は完璧。いつもと違うツルツル声で歌うディランもいい感じだし(なぜこのときだけこんな声?)、辛辣でない甘くてチャーミングなラヴ・ソング中心なのもいい。ジョニー・キャッシュとのデュオもハマっているし、2曲目のインスト・ナンバーもさっぱりしていて具合いい。ラストの「今夜は君といっしょにいるよ」なんて最高じゃないですか。

こんな路線ばっかりじゃ人気も評価も得られなかったミュージシャンだったことははっきりしていますけど、『Bringing It All Back Home』(65)『Highway 61 Revisited』(65)『Blonde On Blonde』(66)あたりがかつて大好きだったぼくも、近年はおだやかやなフィーリングのものへと到着するようになりました。

つまりそれはぼくのほうの老齢と衰弱が原因なんですけど、特に厳しい体調で苦しむ現在でもこうして楽しめる音楽を残しておいてくれたことに感謝するしかありません。

(written 2023.8.19)

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