見出し画像

なめらかでまろやかなルンバ・コンゴレーズ 〜 ファヤ・テス

(2 min read)

Faya Tess / Sublime Faya

コンゴの歌手ファヤ・テス、2020年の新作『Sublime Faya』がなんとなく気になって、わりとよく聴いているんで、ちょこっとだけ感想を書いておきましょうね。このアルバムも、往年のルンバ・コンゴレーズのサウンドをそのまま再現したものです。

ファヤはタブー・レイ・ロシュローのアフリサやフランコといったコンゴ音楽のビッグ・ネームとも関わってきた存在で、例の『Au Temps des Classics』シリーズをずっと何作もリリースし続けてきていますよね。

それらと同様に、『Sublime Faya』もベテラン・ギタリストのニボマがプロデュースを担当。またアフリサで活躍したカエン・マドカもギター・ソロで参加していますし、ほとんどの作曲を担当しているのは、ニボマの最新作『Kanta Nyboma』でもコラボしているシピ・ウマンデ。

というわけでファヤのこれも往年のルンバ・コンゴレーズそのまんまの味わいで、そのへんが好きなファンならかなり楽しめるはず。個人的には(フランコっぽいような)エレキ・ギター弾きがもっとどんどん前面に出てくれたほうが好みですけど、ファヤのこれではホーン陣が中心になってサウンドの色彩感を担っていると思います。

ファヤのヴォーカルもベテランらしい芳醇でふくよかな味わいで、肩に力が入らない自然体での歌がルンバ・コンゴレーズのまろやかさをいっそうきわだたせています。伴奏といい歌といい、どこといって変わるところのない音楽ですけど、こういったなめらかでまろやかなルンバ・コンゴレーズをSpotifyでいつでも楽しめるのはうれしいことなんです。

(written 2021.3.2)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?