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筋骨隆々の肉体美 〜 ダンプスタファンク

(3 min read)

Dumpstaphunk / Where Do We Go From Here

ニュー・オーリンズのファンク・バンド、ダンプスタファンクの最新作『Where Do We Go From Here』(2021)。Astralさんもbunboniさんも書いていたので、いつもお先にどうぞなぼくがいまさらなにも言うことはないなと思ったんですけど、
(Astralさん)

(bunboniさん)

とはいえ超カァ〜ッコイイので、簡素でいいからちょっとだけ自分の記録として残しておかなくちゃ気が済まないっていう、そういう性分なもんで。これ、たぶん、わかっていただけるんじゃないかと。

それで、こういうのはプロレス的世界、肉弾あいまみえるばきばきマッチョでファロゴセントリックな音楽ですから(リング入場曲に似合いそう)、近ごろはおだやかで静かでやさしいサウンドを好む気分のときが多いぼくなんかは、やや遠慮したくなったりすることも。

がしかし聴いたら聴いたでカッコよく感じて気分いい、アガるというのもたしかなこと。たまにはボディビルダーを眺めるのもいいです。ファンク・ミュージックってそういうもので、パートナーの女性を抑圧していた(バンド・メンバーにもパワハラひどかったらしい)ジェイムズ・ブラウンだって、ときおり聴いてみたら快感でしょう。

ダンプスタファンクのこの新作、ぼく好みのファンク・ビートというとたとえば2曲目「メイク・イット・アフター・オール」のこの感じとか、いいですよねえ。これですよ、これが肉体派ファンク・ミュージックの真骨頂。皮膚に血管浮き出しそうなほどの高揚感。

7曲目「イン・タイム」も最高。いうまでもなくスライ&ファミリー・ストーンのあれのカヴァーですが、スライのすかしたクールなぺなぺなサウンドが、ここでは人力剛腕で濃厚なヘヴィ・ファンクに生まれ変わっているという料理ぶり。正攻法をつらぬくダンプスタファンクの本領発揮でしょう。

このアルバムにはインストルメンタル・ナンバーが数曲あるのもぼくの好みに合致しています。3「バックウォッシュ」、6「イッチー・ブー」、9「ダンプスタメンタル」。どれも聴きごたえ充分で、重量感がありながらシンコペイトの聴いた跳ねるビートがダンサブル。ニュー・オーリンズ的でもありPファンクのようでもあり。

(written 2021.12.10)

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