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クンバ・ガウロの2018年作

(3 min read)

Coumba Gawlo / Terrou Waar

bunboni さんに教わりました。

セネガルの歌手クンバ・ガウロ(Coumba Gawlo)。初耳だったぼくはちょっとのあいだグンバ・ガウロだと思っていて、だって買って自宅に届いたこのアルバム『Terrou Waar』(2018)のカヴァー・ジャケットに大きな文字で書いてある名前、G の字が姓でも名でも頭に来ている感じのデザインじゃないですか、それですっかり勘違いしていたんですね。でも Goumba Gawlo ではネットでぜんぜんひっかからないからつまんないの〜と思っていました(アホ)。

ともあれクンバ・ガウロの『Terrou Warr』。いままでのクンバの集大成的な作品かもしれないとのことで、といってもぼくはこれではじめてクンバを聴いたわけですからなんとも言えませんが、セネガルのいろんな音楽の総見取り図みたいな作品かもしれないんだなということはなんとなくわかります。セネガルのというより汎アフリカ的っていうか、そんな音楽ですよね。

セネガル各地のさまざまな伝統音楽をクンバならではの作法で紹介したトータル・アルバムみたいで、軽快なンバラもあったりして、力強いパワフルな歌とサウンドで全編占められています。なかで異色は10曲目「Tekk Gui」でしょうか。クンバはまるで泣いているような声で歌い、なにかを切々と訴えかけてくるようなヴォーカルです。bunboni さんによれば「17年に亡くなった父親のレイ・バンバ・セックに捧げたレクイエム」ということですね。こういった曲調はこのアルバムではこれだけでしょう。

また続く11曲目「Naby」は全編テンポ・ルバート、ちょっとイスラムふうの詠唱で、実を言うとこのアルバムでぼくがいちばん気に入ったトラックがこれ(と続く12曲目の「Allez Africa」)なんです。そんなヤツいないですよねえ。やっぱりぼくはアラブ音楽が好きなのかなあ。クンバの声もよく張って伸びていて艶もあるし、とてもいいなと思うんですけどね。こういったイスラム詠唱が好きなだけかもしれません。

アルバム・ラスト12曲目「Allez Africa」はダーラ J のファーダ・フレディとのコラボ・コンポジションで、製作にダーラ J ファミリーが参加しています。11曲目とならぶぼくのお気に入りがこれ。打ち込み主体のサウンドですけれども、11曲目までの人力生演奏トラックのあとに来ても違和感がないですね。イキイキとした躍動感に満ちたリズム、サウンド、ヴォーカルで、ダーラ J がかなり貢献したなとも思いますし、高揚感があってなんど聴いても楽しいんですよね。

(written 2020.6.9)


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