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夢で逢えたら

(4 min read)

お元気ですか。今朝、夢のなかにあなたが出ていらっしゃいました。ときどきあるんです、そういうこと、あなたを夢に見るということが。今朝の夢のなかでぼくたちはなにか音楽のライヴ会場みたいなところにいました。ライヴ会場ですからもちろんほかにもたくさんひとがいて、みんなで音楽を聴き、そしてその会場はカフェ&レストランみたいなところで音楽ライヴ+ワン・フード&ワン・ドリンクが必須ですから、みんなで食事をしてコーヒーを飲みました。

現実にあなたにお会いしたのは2018年の2月が最後になっていますね。そもそもの出会いは、音楽趣味の共通性みたいなことで、ネットであなたがぼくのことを見つけてくださったのでした。わたしの好きな音楽と同じような音楽がお好きなんですねと声をかけてくださって、それでお友達になり、やりとりするようになりました。何年のことだったか忘れましたが、ぼくの書いた年間ベスト10の日記だったと思います。

それで、音楽趣味でお話ができる仲のよいお友達ということで、その後も(主に)ネット上でお付き合いするようになったのです。しばらくのあいだは mixi で、2009年の暮れごろからは Twitter で。mixi 時代にぼくが音楽についてしゃべっていた大学の講義日記を書いていたら興味を持ってくださって、教室まで遊びにきてくださったことがありました。そのときはじめてお会いしたのでしたね。その後2011年2月浅草でのマレウレウ・ライヴでもご挨拶いただきました。

ぼくのなかであなたは音楽や芸能全般にかんしてくわしいマニアックな趣味人ということになっていて、それはたぶん間違っていないと思います。ぼくも基本(ほぼ音楽だけとはいえ)そうだから、それでどんどんお話していたのでした。ネット上で最も仲のいい友人があなたでした。ネット上にしか友人のいないぼくですから、つまりあらゆる意味で最親友があなたということになっていたんです。

それらはすべてもとは音楽趣味が共通しているというところから来ているものでした。あなたはジャズ・ファンだったことは一度もないということなんですけれど、米英ロックやサザン・ソウル(はぼくはちょっとうといけれど)、ブルーズなどのブラック・ミュージック、それからワールド・ミュージックなど、CD 買ったり聴いたりする範囲が共通していて、それでふだんから楽しく(主に Twitter 上で)おしゃべりしていたのでした。

あなたはぼくよりもずっと音楽についてもくわしいですから、ぼくは教わったり学んだりすることばかりで、ずいぶんとお世話になりました。本当に感謝しています。2000年代のなかごろ、あなたに mixi で出会わなかったら、あなたがぼくのことを見つけてくださらなかったら、その後のぼくの人生はぜんぜん違うものとなっていたでしょう。人生がより楽しくより充実したものとなったのです。

Twitter を主な居場所にしているというのはいまでも同じですけれど、いつごろからか、あなたはあまり音楽のことをおっしゃらなくなりました。さびしく感じていたんですけど、その後しばらくしてぼくは音楽について自分の意見をまとめた文章をブログに上げるようになって、それでこの Black Beauty があります。ぼくのほうはそれ以後のほうが音楽へののめり込みが強くなっているように思います。

あなたも音楽はずっとふだんから熱心に聴いていらっしゃるのでしょう。日常的にあまりおっしゃらないだけで。ふだんほとんど発言なさらなくなったことをぼくはさびしく感じていましたが、それはいまもちょっとさびしいんですけれども、ぼくはぼくで勝手に音楽関係で充実するようになっていますから、それでいいんじゃないかと思います。

かつては共通の趣味や考えかたを持つ友人として、同じ道路を仲よく歩んでいたような感触もありましたが、いまは別な方向を向いているんだなという実感があります。でもあなたのことを大切に思ったり慕ったりする気持ちはずっと変わらず持ち続けているんで、毎日ふだんから意識しているというのはずっと同じです。だからいまでも夢のなかに登場なさったりするんだと思います。

せめてときどきは夢でお会いできたら。それでじゅうぶんだと思っています。現実にどこかでお会いして顔を見ておしゃべりしたりできなくてもいいです。ぼくはあなたを失ったのでしょうか。そうかもしれません。でも、それでもせめて、夢で逢えたら。

(written 2020.2.12)

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