しんどいとき助けになる音楽(31)〜 ニーナ・ベケール
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Nina Becker / Minha Dolores
ルイス・バルセロスでもう一つ。これもブラジルの歌手、ニーナ・ベケールのアルバム『Minha Dolores』(2014)のこともとっても大好き。サンバ・カンソーンのシンガー・ソングライターだったドローレス・ドゥラン・トリビュートで、ドローレスの曲を歌ったもの。
その曲々がとってもいいですよね。個人的にはドローレスのファンというわけでもなかったんですが、ニーナの歌うのがあまりにもチャーミングなのでちょっと聴いてみましたからね。そうしたらすばらしくって、こんなことならもっと前から聴いておけばよかったと思いました。
ニーナの本作は、七弦ギターとバンドリンの二人だけっていうシンプルな伴奏。曲によってはゲストでエレピやエレキ・ギターのソロもありますが例外的で、どこまでも二人だけでのショーロふうな簡潔なサウンドなのが音楽にひろがりを生んでいて、歌を活かすことにつながっているのもいいです。
だから大好きなルイスのバンドリンも大活躍でたっぷり聴けるのがうれしいんです。よく歌うバンドリンですし、音色がシャープで硬質なのが好印象。七弦ギターのほうはゆんわり優雅な印象ですが、それに乗るニーナの声もふんわりとソフトで、あたたかみがあって、曲もいいし、もうどこからどう聴いてもみごとな音楽だとしか言いようがないですね。
(written 2023.9.21)
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