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しんどいときに聴く音楽(75)〜 Us3

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Us3 / Hand on the Torch

ロンドンのヒップ・ホップ・ジャズ・ユニット、Us3のデビュー・アルバム『Hand on the Torch』(1993)のことはいまでも大好き。この手の一般の音楽家との大きな違いはブルー・ノート・クラシックから大胆にサンプリングしてあるところ。

そもそもUs3はブルー・ノートから公式にサンプリングの許可をもらっていたユニットでした。そんなわけで古典的などんなブルー・ノート音源からも自由にサンプリングしてあって、そこがハード・バップなどを愛するぼくらにはいちばんグッときました。

ビートはコンピューター打ち込みでつくって、そこにサンプル+新たにジャズ生演奏とラップを乗せて足したUs3の音楽は、ジャズが好きで、ヒップ・ホップもちょっと聴いてみたいけどどこから入っていったらいいの?と当時思っていた人間にはピッタリのものでしたね。

1990年代前半のヒップ・ホップ系としてそんな斬新だとかいうことじゃなかったかもしれませんが、古いジャズが好きな向きにはちょうどよかったのです。ヒップ・ホップ/ラップとブルー・ノートのクラシカルな音源がこんだけ相性がいいというのも新鮮な発見、驚きでした。

Us3は先行リリースされていた「カンタループ(フリップ・ファンタジア)」の人気(あのころFMラジオでバンバン流れていた)と、それを1曲目に収録した本デビュー・アルバムで、忘れられない現象となったのでした。その後はイマイチでしたけれども、一作でじゅうぶんなインパクトがありました。

ジャズ・ファン、特にブルー・ノート・ファンにとって格好のヒップ・ホップ入門となったし、音楽じたいが楽しくてカッコよかったと思います。いまでもこの印象は変わりません。

(written 2024.1.17)

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