ブルキナ・ファソ人のやるしなやかなマンデ・グルーヴ 〜 カディ・ジャラ
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Kady Diarra / Burkina Hakili
フランスで活動しているブルキナ・ファソ人歌手、カディ・ジャラの最新作『Burkina Hakili』(2021)がけっこういいですよね。カディはグリオの出身で、西アフリカのグリオ系ヴォーカルを聴き慣れている耳には、すぐそれとわかる声の持ち主です。
伴奏サウンドは、バラフォン、ンゴニ、ギター、パーカッションなどを中心に組み立てられていて、いかにも西アフリカ音楽といった趣き。しかもカディはブルキナ・ファソ人ながら、音楽的にはマンデ・ポップのひとです。それはアルバムを聴けば明瞭ですね。
アクースティックな楽器を中心に、適度に混ざるエレキ・ギターなども心地よく、粘性のあるグルーヴがしなやかで、その上で落ち着いたヴォーカルを聴かせるカディの歌いかたもしっかりしたキャリアを感じさせる落ち着きで、好印象。
曲の随所で決まるバンドの合奏リフというかキメが快感で、多彩なリズム感、コクのあるサウンド・アレンジのなかで躍動するカディの溌剌としたマンデ・グリオ声が最高です。西アフリカ・ポップスの王道に沿いながら、ロックのビートやサウンドも曲によってはとりいれて、特にラスト11曲目なんかはハード・チューンでしびれます。
(written 2022.1.17)