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バリー・ハリス・プレイズ・タッド・ダムロン
(3 min read)
Barry Harris / Barry Harris Plays Tadd Dameron
大学生のとき個人的に愛聴していたアルバムのひとつに、バリー・ハリスの『バリー・ハリス・プレイズ・タッド・ダムロン』(1975)があります。独特の渋いジャケット・デザインが気に入ってレコード・ショップで買って帰ったんですけど、これ、ザナドゥ(Xanadu)という会社の作品ですよね。なつかしい〜。
タイトルどおり、タッド・ダムロン(ダメロン)の曲ばかり、バリー・ハリスがピアノ・トリオで演奏したもの。バリー・ハリスにさほどの思い入れはないというか興味は薄かったんですけど、コンポーザーとしてのタッド・ダムロンのファンだったんで、たぶんそれで買ったレコードだったんでしょう。
曲よし、演奏よし、ジャケットよしで、文句なしのジャズ・アルバムなんですけど、唯一難点があるとすればこのコントラバスの録音ですよね。1975年だからやむなしとはいえ、あの時代特有のピック・アップをボディ直付けにして弦の振動だけ直接拾っちゃうっていう、ペラペラ・サウンド。これだけはアカン。
でも不思議なことにこのアルバムだとそんなベース音すらもいい雰囲気になっているというか、似合っているというか、悪くないな〜って思えるので、なんでしょうね、これは。バリー・ハリスのピアノの音もゴツゴツとブサイクな音色で、まるでアルフレッド・ライオンが退くまでのブルー・ノートのピアノ録音そっくりでイタダケないんですが、ペラペラのベース音といい、う〜ん、どう言ったらいいのか、タッド・ダムロンの曲の調子に合っているような気がします...、というのは惚れたひいき目ですかね。
やっぱり曲がいいんんですよね。たとえば1曲目「ホット・ハウス」みたいな有名曲でもこのテーマ・メロディの展開、ライン構成がさすがはタッド・ダムロンだけあるっていうすばらしさ。有名曲だと4「レイディバード」、8「アワ・ディライト」なんかもそうですけど、メロディ・ラインの動きに、パッと聴いてすぐ、あっこれはダムロンの曲だぞとわかる特徴、アイデンディティ、言い換えれば個性があります。
それを味わいたいがためにぼくは毎回このアルバムを聴いているんであって、だから演奏者はバリー・ハリスじゃなくてよかったのかも。でもダムロンのアルバム以外で、八曲まとめてダムロンの曲を聴けるジャズ・アルバムって、ほかにありましたっけ?ホーン・アレンジなどにも才能をみせたコンポーザー/アレンジャーだったんで、できればトランペット+サックスの二管編成とかで聴いてみたかったような気もしますよね。ベニー・ゴルスンあたりがつくってくれたらよかったのになぁ。
(written 2021.2.24)
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