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ネオ・アクースティック・ソウルなエミリー・キング
(2 min read)
Emily King / Sides
シンプルだけど力強いジャケットが目を引くエミリー・キングのアルバム『サイズ』(2020)。R&B系のアメリカ人シンガー・ソングライターで、2019年の『シーナリー』が成功して、注目されるようになった存在ですね。
2020年の『サイズ』でぼくははじめて知った歌手なわけですが、この最新作は自身の過去のアルバムからセレクトした曲を、完全アクースティック・サウンドでリメイクしたものみたいです。ヴォーカル以外には、ギター、ピアノ、ストリングス、パーカッションと、たったそれだけしか参加していないというシンプルなアンプラグド・サウンド。
ギターはたぶんエミリー自身じゃないかと思います。いままでもふだんから弾き語りを聴かせるフォーキー・ソウルのひとみたいですし。ネオ・オーガニックなテイストで、ナチュラルな音像がこのアルバムでも心地いいですね。高く評価された『シーナリー』のイメージからはガラリと変わっていますけど、この歌手はこういった資質が前からあったんじゃないかと思います。
実際、ニュー・ヨークのビターエンドなど数々の場所で弾き語りライヴを実施してきていたそう。『シーナリー』はセント・ヴィンセントとソランジュが出会ったような傑作と評されましたが、もとからアクースティックな志向はあった歌手ですよね。それを今回はフル発揮しているというわけです。
ソウル、ヒップ・ホップ、R&Bなど、ブラック・ミュージックの影響を強く受けたような音楽性をみせていると同時に、ジョニ・ミッチェルとかキャロル・キングなどにも通じるようなシンガー・ソングライター系の影響も濃く感じるエミリー・キング。きわめてシンプルなアクースティック編成で今回は聴かせているので、それがいっそう際立ちます。
(written 2021.6.20)
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