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ユニーヴァーサルな21世紀型オーガニック・ポップス 〜 トトー・ST

(2 min read)

Totó ST / Nga Sakidila

bunboniさんの紹介で知りました。

上のbunboniさんの記事ではアンゴラのトトー・STのアルバムが二作載っていて、両方聴いてみたらどっちもいいので、じゃあとりあえず近作のほうをと思い2019年の『Nga Sakidila』をとりあげてメモしておくことにします。

2014年作もそうですが、19年の『Nga Sakidila』もアンゴラ色はおろかアフロ・ポップ・カラーすらほとんどない、ワールド・ワイドに通用するまろやかでソフトで上質で高度に洗練された音楽。ラスト15曲目でだけなぜかブラジルの楽器ビリンバウが使われていますがそれだけで、アルバム全体はギターやピアノなどのサウンドが中心。

曲もいいしギター演奏もヴォーカルも伸びやかで、三拍子揃ったいい才能ですよね。ドラムスやベースなどリズム・セクションが参加して軽快にグルーヴするナンバーにも聴き惚れますが、個人的にはトトーひとりでのおだやかなアクースティック・ギター弾き語りみたいなのが大のお気に入り。

出だしの1曲目からしてそうなんですが、ほかにも5曲目、12曲目とあります。こういったアンプラグドなギター弾き語りで聴かせるトトーの音楽のやわらかな感触には、リスナーのメンタルをゆっくりほぐしていくような独特のチャームがあって、どっとかというと少人数バンド編成でのオーガニックなビートの効いた曲が多いアルバムのなかでいいアクセントになっています。

弾き語りナンバー、バンドでのナンバーと、どちらもすんなり耳になじむユニヴァーサル・カラーがあって、特にアンゴラがどうこうとかアフロ・ポップに興味のない一般の音楽リスナーにもアピールできそうな21世紀型ポップスとして通用します。アメリカン・ミュージック・ファン、J-POP好きだって好きになれるんじゃないかなあ。

(written 2021.12.15)

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