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ハイチ産ヘヴィ・ロック 〜 ムーンライト・ベンジャミン

(3 min read)

Moonlight Benjamin / Simido

この歌手のことはbunboniさんに教わりました。

まだフィジカル化されていないらしい(が、確かめたわけじゃない、興味がないことだから)最新2020年作『Simido』のほうがずっといいと思うハイチの歌手、ムーンライト・ベンジャミン。bunboniさんご推薦の2018年作もしっかり聴きましたが、どう考えても最新作のほうが充実しています。だからぼくはそっちを書いておくことにしました。

ヘヴィ・ロックということばがピッタリ似合うムーンライト・ベンジャミンの音楽。その最新作『シミド』ではいっそうその趣きが強くなっていますよね。バンドはこれたぶんエレキ・ギター、ベース、ドラムスのトリオじゃないですかね。それ+ベンジャミンのアクの強いヴォーカル。だから編成からいってもできあがったものを聴いても、ちょうど1960年代末〜70年代初頭のハード・ロックっぽいですよ。

ハード・ロックとヘヴィ・ロックは違うんだとか、なんだかそんな声も聞こえてきそうですが、ぼくはそんなに区別はしていません。ヘヴィ・ロックは必ずしもブルーズ・ベースでなくてもいいとか、サウンドの重心がずっしり沈んでいて重たく感じるだとかいったことはあると思いますが、ムーンライト・ベンジャミンの『シミド』はブルーズ要素も感じるので、その意味ではハード・ロックとしたほうがいいんでしょうか。

アルバムで特にお気に入りは、5曲目「チュレ」と6「シミド」あたりですね。そのへんの中盤でほんとうにすばらしく聴こえます。曲をだれが書いているのか、ムーンライト・ベンジャミン自身かなとは思うんですけど、そう、曲のメロディ・ラインがいいんですよね。それを歌うベンジャミンの声のハリもみごと。独特の緊張感があって、なんともいえず快感ですね。ファズの効いたエレキ・ギターのブルージーでノイジーなサウンドも聴きごたえ満点。

ハイチの音楽のことをなにも知りませんので、そのこととこの最新作との関係についてはなにも言えないんですけど、それでもできあがったアルバムを聴いているだけなら完璧にぼく好み。たぶん、”あのころ” のロック・ミュージックがお好きなみなさんには、きっと気に入っていただける内容になっていると思います。テンション高く強く張ってグイグイ攻めるハード・ロック、ヘヴィ・ロック、びりびり来る、まさにそんな感じの音楽です。

(written 2020.10.3)

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