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しんどいとき助けになる音楽(33)〜 マイルズ『リラクシン』

(2 min read)

Miles Davis / Relaxin’

マイルズ・デイヴィスがプレスティジでやった例のマラソン・セッション(1956)から誕生したいはゆる四部作のなかでは、むかしもいまも『リラクシン』(58)がいちばん好き。

音楽的に最もすぐれているとかは思わないんですけど、とってもくつろげる音楽だなあって、アルバム題どおり。これ聴くと気分がラクになってきますもん。演奏前演奏後のスタジオでのトークがけっこう収録されているというのも一因かも。

曲も好きなものばかり。といってもジャズ・スタンダードのラスト「Woddy’N You」以外はこのアルバムではじめて知ったものなんですけど、その後ヴォーカル・ヴァージョンふくめさまざまなのを聴くようになりました。

けど、どれ聴いても結局マイルズのこれに戻ってきちゃうっていうか、これがいちばんいいなと感じてしまうのは、やっぱりファンだからなんでしょうね。演奏もほんとうにすぐれていると思うんです。一発即興だったことが信じられないくらい完成されているし。

じっさい演奏前の会話とか聞いていると、ボスはサイド・メンバーにあれこれ指示を出しているのがわかります。音を出す前にイメージがあたまのなかにしっかりあったことをうかがわせる内容で、バンド全体のサウンドをどう構築するか?ということに生涯腐心した音楽家らしいなと思います。

マイルズ入門にどれか一枚好適なのを教えて!という向きがもしあらば、この『リラクシン』を迷わず差し出したいという気がしています。

(written 2023.9.23)


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