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しんどいとき助けになる音楽(1)〜 ルーマー

(4 min read)

Rumer / B SIdes & Rarities vol.2

腰、というかお尻のほう(&ふくらはぎ)なんですけどかなり痛いのが続き、酷暑とのダブル・パンチで、つらく、強いストレスになっています。おかげでメンタルもダウンしてしまっていてうつ状態ですが、医者以外だれにSOS出そうとも助けてはくれません。でもそんなとき聴ける音楽があります。

音楽に救い、癒しを求めようってことで、8月5日以来そういうのをさがしてはどんどん聴くようになっていますから、そんななかからきょうはルーマーのいまのところの最新作『B SIdes & Rarities vol.2』(2022)をざっと手短&雑(にしか今はできない)にふりかえっておきます。いままで書いたことのくりかえしになるはず。

おだやかで落ち着いて静かなルーマーのヴォーカルは、まるで上質なシルクのような肌あたりでこっちの気持ちをなぐさめてくれます。UK時代からそうした特質の歌手でしたが、USに来てロブ・シラクバリに出会って以後は、ますますそれに磨きがかかったような印象ですよね。

コブシなど強く張った発声などとはちっとも無縁、あまりにもスムースでなめらかでやわらかい声なので、とっかかりがなく、リスナーによっては物足りないと感じてしまうかもなんですが、その音楽は極上。きれいな曲のメロディをこの上なく美しく届けてくれるので、ぼくなんかもう完全にトリコですよ。

そう、ルーマーの歌は美しいんですよね。特にロブを音楽面でも私生活でもパートナーとするようになって以後は、人生の充実幸福感が歌の安定に如実に反映されていて、まったくゆるがない黄金のシルクで音楽を表現するようになっています。

ルーマーのそんなところがですね、心身が弱っているときにそっとソフトに声をかけ手を当ててくれてヒールするかのように聴こえるんです。去年の『B SIdes & Rarities vol.2』は最新作ですから、安定と充実が増すばかりのルーマーのシルク・ヴォイスがいっそう輝いていて、ここまでやわらかい声できれいに歌える歌手もそうそういないのでは?と思えるくらい。

ロブの練り上げたバック・トラックもすばらしく、個人的には自身のピアノ伴奏だけとかそれに近いシンプルさでの淡々とした伴奏で歌手の美声をささえているときが特に大好き。7「Never Arrive」12「The Folks Who Live on the Hill」13「Where’ve You Been?」とか。

そしてやっぱり9「How Deep Is Your Love」が最高。ストリングス伴奏が入っているけど控えめでそれ以外はピアノだけ。ビージーズのきれいなきれいなラヴ・ソングを、聴き手をつつみ溶かすように歌うルーマーの声に蕩けてしまいます。

ぼくにはこういう音楽がつらいときの救いです。

(written 2023.8.11)

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