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アップデートしなくていい音楽 〜 ネウザ新作

(2 min read)

Neuza / Mininus 2000

そいでカーボ・ヴェルデのネウザも新作が今年出たということで、さっそくその『Mininus 2000』(2023)を聴いてみました。そうしたらこっちもかなりいいですね。やはり変わらずアップデートしない王道路線で、こういうのがぼくは落ち着けます。

個人的に特に好きなのが三曲あるコラデイラ・ナンバー(2、5、7)。全七曲のうち三つだから、これはもうコラデイラ・アルバムと言いたいくらい。カーボ・ヴェルデの伝統リズムでいちばん好きなものですし、クレオール・ビートの楽しさがつまっていて、ほんと最高。

だれがプロデュースやアレンジをやったのか?ここのこの楽器はだれ?っていうたぐいの情報がいっさいありませんが、こうした従前とちっとも変わるところのない音楽性をふまえれば、製作演奏陣のメンツも変化なしなのかもしれません。

世のなかには時代にあわせてどんどん変わっていく、更新していく、そうじゃないとすたれていくという種類の音楽と、そんな必要性のない音楽とがあります。ネウザのやっているこうしたものはもちろん後者。ずっと前から姿が変わらないし、ネウザ自身同じことをずっとやっていますが、美味が失われたりしていないですもんね。

ジャズ(はやその関連)・ミュージックにおける進化の方程式をなんにでもふりかざしてほしくないと思うゆえんです。それは世界にあるさまざまな音楽の実相にそぐわないし、実はジャズのなかですらそうなんですから。ネウザなんかは同じ一つの歌をやり続けて円熟し、それを維持してずっとイキがいいまんまなんです。

(written 2023.5.8)

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