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ニュー・オーリンズ・ピアノの正統的後継者 〜 ジョン・クリアリー

(2 min read)

Jon Cleary / New Kinda Groove ~ The  Jon Cleary Collection

なんでも10月に来日公演をやるらしいジョン・クリアリー。それを記念して日本編集の新しいベスト・アルバムがリリースされました。『New Kinda Groove ~ The  Jon Cleary Collection』(2023)。八月下旬に出たこれが楽しくて、いつなんど聴いても笑顔になっちゃうんです。

このひと、生まれはイングランドなんですけど、いまやすっかりニュー・オーリンズ・ピアノ・ファンクの正統的な後継者としてシーンを支える存在ってことですっかり認識されていますよね。Wikipediaなんかでも “American” って紹介されているし。

ベスト・アルバムはやっぱり元気にグルーヴするノリいい曲が中心。そのなかに落ち着いたミドル・テンポのものを混ぜ込んだり、なかには沁みるしっとりバラード(失恋系はトーチ・ソングというべきか)もあって、一時間以上を飽かせません。

ピアノの腕前はもはや言わずもがな、万人が認めるところでしょうけど、ヴォーカルも味があってかなりいい。ピアノを弾かず歌に専念している曲もあるんですけど、しっかり聴かせます。

曲によってちょっぴり鮮明なカリブ香味もただよわせていたりするのは、やっぱりいかにもニュー・オーリンズという土地のなせる伝統のわざ。クリアリーもそうした間違いない味わいを着実に継承していて、ホンモノだなあと実感させます。

アルバム末尾に入っているボーナス・トラック的な三曲のライヴもかなりいいです。ってかこのベスト・アルバム、そのパートこそ目玉なんじゃないかと思えますよ。

(written 2023.8.9)

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