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オオツカヒサオ コラム

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オオツカヒサオのコラムです。
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2017年3月の記事一覧

もう一度その美容室に行こうと思った理由と、よからぬ忖度。

もう一度その美容室に行こうと思った理由と、よからぬ忖度。

美容室に行くことが苦手である。苦手、というのは言葉選びが違うかもしれない。別に座っているだけであるし、得意不得意を問われることもない。ただなんとなく決まった場所に一、二時間じっとしていると何もすることがなく(当たり前だ)、そうなると寝る前のように何となくいろいろと考えごとをはじめ、自分と会話することが多くなるから疲れるのである(まさに鏡に映る自分と向き合って)。

疲れることが分かっている場所

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甲子園球場に私が謝りたくなった理由

甲子園球場に私が謝りたくなった理由

高校野球で、しかも甲子園球場で、自分が泣く日が来るなんて思いもしなかった。

呉高校 対 至学館高校。野球のことはあまり分からない私にも、目を離せぬ一進一退の試合展開は面白く、あっという間の延長12回だった。

呉市からバス43台で来たという大応援団の、その中の吹奏楽部のそばで、私は試合を観ていた。当然仕事で関わった呉市のテーマソング「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」を演奏してくれると聞い

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永遠の高嶺のフラワー、その街の名は神戸。

永遠の高嶺のフラワー、その街の名は神戸。

仕事で縁のあった呉高校が甲子園に初出場するので、応援のため私は妻を半ば無理やり連れて西へ向かった。試合は朝の第一試合だということで、私たちは神戸に前泊することにした。

久しぶりの三宮、元町を歩く。私は関西出身とはいえ、出自は奈良である。しかも高校生までしかいなかった。奈良の高校生から見る港町神戸は地理的にも、気持ち的にも遥か遠くにあり、同じ関西圏だからといって、全く詳しくもなく、また懐かしく

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そのとき私が青春の終わりを痛感した理由

そのとき私が青春の終わりを痛感した理由

昨夜は仕事の打ち上げであった。東京からもスタッフが名古屋まで打ち上げのために集まってくれた。迎える側の私は完璧な香盤を組んだ、はずだった。

一軒目は味仙に二時間半で打ち上げ感の醸成、二軒目はこじんまりした雑居ビル内の居酒屋で一時間半バラバラに混みいった話をして夜への没入感に導き、三軒目は地下のカラオケバーでゆっくりと酔いをさましてもらいながら最後に歌ってフィナーレ感を演出する、はずだった。

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