貴族の映画館に行ったぞ
新宿。
若い頃はあんまり気にならなかったけど、体力気力が落ちて静かに暮らしたくなり、イスが硬い、狭い、相手の話が聞こえない、色々気になるお年頃になると、この街はうるさすぎる。
職場も新宿や代々木から静かな街に移って以来、全く立ち寄らなくなった街。
色んな素敵な物があるのはわかってるんだけどね…。
だって学生時代上京してきて初めて買い物したのも、社会人になって初めて働いたのも新宿ですから。
そんな街に、貴族の映画館があるのです。
109シネマズプレミアム 新宿
大遊戯場歌舞伎町を進み、新宿TOHOのゴジラを横目に左折、シネシティ広場を通ると、外観は案外シンプルなビルが現れる。
昼間に行ったからなのかわからないけど、第一印象は外観は案外地味。
私「トランスフォーマーだよ（テンプレみたいな発言草）」
スラムダンクを一緒に観たおじさんと一緒に行ったわけですが（この映画館のレビューを見て気になっていたらしい）正直ね、実際に行くまでは
「単純に金に余裕がある人とインバウンド狙いの映画館だろうな。まあいつもおじさんにはお世話になっているから行きたいと言うなら行きましょう…。」
くらいにしか思っていませんでした。
坂本教授、そして109シネマズの皆様…ナメてました。すみませんでした。
おじさんもありがとう。多分自分だけではあと2年くらい行かなかったでしょう。
とりあえずジェラートでも食うか
実は騒がしい居酒屋とかが苦手な私。
おじさんは二階の歌舞伎ホールでご飯…とか思ってたのかもしれないが華麗にスルーして、というか映画館のフードに気になるやつがあったんで絶対それ食べたいマンになっていたので、とりあえず上まで行ってみようよと誘導し、ジェラート屋へ。
17Fエレベーターホールを抜けるとレコードジャケットを使ったアートがあって、その先がレストラン&BARフロア。テラス席もありましたよ。下のフロアより静かで落ち着いていました。時間がある時にまたこっちに来てみようよと言いつつレストランの手前のジェラートを吟味。
おじさんはピスタチオとパッションフルーツにしてました。
桑茶うんめ…甘みを抑えた抹茶のような味。
二人で食べてみた味の中で一番おすすめかも。
抹茶は好きだけど抹茶味のアイスクリームは嫌だよ！という人にも食べてみて欲しい。
私がそうなので。
他のフレーバーも全部美味しかったです。
材料を惜しみなく使ってますねぇ…となる濃厚さ。
ダークチョコレートは口あたりがソルベとアイスクリームの中間て感じでくどくなくて良かった。
パイン&タンカンも苦みが少しあって美味しかった。
二人で行くと最高六種類＋味見で二種類、合計八種類楽しめるね。
2scoopにしたけど600円なので、サーティーワンとそんな変わらないお値段！
クッキーとかカヌレもあったので食べたい人は買ってみてね。
いよいよ貴族の映画館へ
歌舞伎町タワーの9Fと10Fに位置する映画館で、受付でチェックインしないとメインラウンジ（普通の映画館でいう所の売店や発券機のある誰でも入れる所）に入れません。
チケット無しで入れるのは9Fの受付前にあるスーベニアショップのみ。エヴァンゲリオンコラボのオリジナル商品も売っていてなかなか面白かったので、映画を観なくても一見の価値あり。
他にも坂本教授の書籍やCD、上映中作品に出演している俳優の関連グッズ等もありました。
ロッカーあります
座席広めなので使わなくても良いのだけど、ここは新宿ですからね。周りのお店でうっかり買い物しちゃった人はロッカー使った方が良いですよ。
この映画館は結構特殊なので両手は空いていた方が良いです。
普通の映画館で渡されるドリンクはめ込む三角のトレイじゃなく、普通のトレイで色々渡されるので。
エレベーターかエスカレーターで上がってきて、端っこのほうにロッカーがあります。
ロッカーに入らない荷物はどうなんだろ…聞いたら預かってくれるのかな？
コンシェルジュが立ってるし、もしかしたら対応してくれるかもしれませんね。今度聞いてみようかな？それか誰か聞いてきて。
ちなみにあんまり見てなかったけど多分コイン使えないので交通系ICカードに多めに入れといた方が良いです。2時間まで定額で3時間から加算でした。今の映画みんな長いからね…。
階級制度があるぞ
この映画館、階級制度があります。
料金設定が「Class A」「Class S」の2種類あり、受けられるサービスと座席に違いがあります。
それぞれの料金設定は今後変わるかもしれないので下のリンクをご覧ください。
今のところ2,000円しか違わないし、よくよく考えたらすぐ元が取れるので、
「勿体ないとかは無いから目的別で使い分けたら良いよね！」
と、おじさん談。私もそう思います。
出遅れてAになっちゃった…って言ってたけど、今回はAで良かったよねこれ。という結論に至りました。理由は後述します。
ポップコーン代とドリンク代、その他諸々考えたら全く高くない
二つのクラスの共通点は、ポップコーンとソフトドリンク（セブンアップがあったよ！やったぜ！）のおかわりが映画開始時間まで何度でも無料。自分の膀胱と相談しつついくらでもおかわりしてください。
ちなみにですが。
おじさんが目敏くセブンアップを見つけたので
「うわ私もそれにすればよかった！」
と言ったらスタッフさんが
「無料ですので、半分ずつお作りしますか？」
と聞いてくださいました。
そ、そんな事許されるのか…？貴族はそういう事ができるのですか？え？フリードリンクって聞いたからカップ使い回すかと思ったら違うんですか？
ウーロン茶もたくさん飲みたいので丁重にお断りし、二杯目でセブンアップにしました。
それだけでもビビってたのにおじさんが二杯目のオレンジジュース貰ったら
「なんか味うすーい」
って言い出して作り直して貰いに行ってたのもなかなかビビったけど！
さすが貴族は不満があったらすぐ伝えるんだな…（今回おじさんの資金提供で貴族の映画館に来ております）
原液が残り少なくなっていたようで、貰い直したオレンジジュースは濃厚な味でした。
飲むの忘れたけどほうじ茶がうまいらしいのでこれから行く方は試してみてね。
ちなみに紙ストローでした。紙ストローなんだけど、今まで見た紙ストローの中で一番頑丈だった！これなら許容範囲。
でもできれば私が好きなサトウキビ繊維のやつにしてほしいー！紙ストローはどうしてもトイレットペーパーの芯の味がするから高級感を売りにするならば紙以外の自然に優しい素材にも目を向けて欲しいですね。
ポップコーンもこだわりがあるらしく、キャラメルがうまく絡んでカリッとするように、塩とキャラメルでコーンの種類を変えているんだってさ。美味しゅうございました…願わくば持ち帰り用にお土産ポップコーンを売って欲しいです。
BAR、あります
BARの注意点！
ここでもキャッシュレス決済のみとなっており、交通系ICカードやクレジットカードが必要になります。他の決済はわからないので調べてみてください。
そしてどうしても食べたかったのがこれ！
¥1,650
黒トリュフチーズフレンチフライ ¥1,500
クリームティー（スコーン、クロテッドクリーム、ジャム、紅茶のセット）が映画館で食べられるって何事？
やはりそこは貴族の映画館、英国式のティータイムに欠かせない紅茶と焼きたてスコーンは外せないという事なの…？
しかもホイップクリームとジャムとかで誤魔化さず、ちゃんとクロテッドクリームだと？しかもロダスの？ジャムも高いやつじゃん！
敬愛するエリザベス女王にならい、ジャムファーストでクリームも盛ってさあ召し上がれ。
おじ「え！なにこれ美味しい！」
そうでしょうとも。すかさず紅茶も飲め。
おじさんは、今度アフタヌーンティーに行きましょうねオホホ。
おじ「ナイフに残ってるジャム舐めなよ^^」
お前…平民に対する侮辱か？平民は下品な行為をしろと？…美味しいです^^！ありがとうございます！（ペロペロ）
ジャムの残りはビンごと出てきたのを良いことに持ち帰りました。
ていうか黒トリュフポテト、ビジュアルやばくない？
てっきりトリュフ塩的なものがかかって出てくると思った我々。
「え…そのままトリュフ乗ってるね…」
と若干引き気味でしたわよ。
美味しかったです…。
あと写真撮るの忘れたんですけど、ホットドッグも食べました。
タマネギスライスの酢漬けが乗っているもの（ザワークラウトかタマネギが乗ってるのがニューヨークなので良いところ取りなのかな？）と、ピクルスが乗っているもの、プレーンの三種あります。
マスタード、良いやつ使ってますね。
ソーセージもうまし。パンもしっかりしてる。
立川シネマシティのホットドッグもうまいがこれもうまい…。
この映画館…居ようと思えばずっと居られるぞこれ。
もっとフードメニューが充実したら…と思いましたがそれやるとみんな居座るからメニュー絞ってそうですね。
だってソファーも椅子もテーブルも良すぎるし、アート作品も飾ってあって、各スクリーンオープン時間の演出も最高！一瞬暗くなって、SEが流れるんですよ。SEも多分坂本教授作なんでしょうね。
真ん中にラウンジがあり、各スクリーンが両サイドにずらりと並んでいる様は映画館というよりオーケストラをやるような大きなホールのようです。
凝ってるなあ…。
トイレも綺麗で広かったです。
男性用の方はわからないけど、女性用には椅子に座ってメイクを直せるドレッサーが並ぶスペースが別で用意されていて、窓から新宿の景色が楽しめます。
映画館は外の景色が見えない事が多いので、こういう所で解放感を味わえるのも良いですね。
ダークな色調のラウンジと違ってトイレは明るい色調でした。
ちなみにBARにはお酒とノンアルコールカクテルも用意されていて、時間がある人はそちらもどうぞ。映画が終わってからもBARの利用は可能です。ポップコーンとフリードリンクは終わってからは無理なので注意。
王族専用ラウンジがある
今回Class Aで鑑賞したのですがそれでも大満足だったのに、王族用Class Sには鑑賞後のお楽しみ、プレミアムラウンジという別室があるらしい。
ええーまじですか。
これ以上のおもてなしが？
サロンてやつじゃんそれ。
内容は、多分BARで出してるメニューがそのまま楽しめるんだと思いますが、なんと最初の一杯が無料。除外のお酒もあるとは思うけど、基本何でも大丈夫っぽい。
その日の一番最後の作品が終わるまで利用可能との事なので、専用ラウンジも楽しみたいという方は予約時に時間をチェックしてくださいね。
この辺はもしかしたら今後改訂されて、最後の作品鑑賞時は始まる前に利用可能とかになるのかな？
どちらにも良さがあるので、目的別で使い分けよう
今回おじさんと二人だったわけですが、鑑賞中食べ物をシェアしたり、「今のって！」って目配せしたい時とかあるじゃないですか。
そんな時はClass Aをおすすめします。
Class A、Sの違いは今までの話で大体理解したと思いますが、シートにも違いがあります。
Class S
電動リクライニングシート
座席幅がAより広い
隣の席との間に視界を遮るパーテーション付き
Class A
Sほどでは無いが背もたれと座面がリクライニングする
パーテーションがあるが、食べ物のシェアや目配せが可能な高さ（5センチ前後？）
多分両方共通ですが、座席の肘掛けの左側が二段になっていて、ちょっとした荷物を置けるようになってます。
ポップコーンを落とさないように置くも良し、バッグを置くも良し、好きに使いましょう！
どっちも置いても余裕ありそうだったけどね！
傘を置くスペースもついてます。
こんな感じなので、集中して観たい方や、二人で来ててもそれぞれのペースで観たいという方にはSで良いと思います。あくまでもみんなで空間を共有したいという方はAかな。
そこそこお高い料金設定なのでおそらく変な人は殆ど居ないという点も良いですね。
Aでも飲み物を取るときにちょっと背もたれから背中が離れちゃったりする程度にはリクライニングするんだけど、前の席との段差が結構あるのと、スクリーンが結構高い位置だったのでストレスはありませんでした。リラックスして映画を見てほしいという気持ちが伝わってきます。
音、良！！！！！！
音がでかけりゃ良いって物でもないし、高い値段払っただけの事が無いならここまで連れてきて貰った意味がないんですけど？？？
そこんとこどうなんですか？？？
……めっちゃ良いじゃん……
今回観たのはミッションインポッシブル デッドレコニング パート1なんですが、ミッションインポッシブルといえばあのテーマ曲ですよね。
何度も聴いてきた曲だからこそわかる。
オケの音の解像度すごい……。
音がただデカいわけでもなく、ギラついたチューニングでもなく。
目の前にマーチングバンド！
この空気の震え方はマーチングバンドです。
はぁーーーーーーなるほどなー！！！
今まで立川シネマシティにばかり行っていたけど、お金に余裕があるときはこっちでも良いなぁ！近いし！
歌舞伎町の中を通らなきゃいけないから夜遅いときは嫌かもしれないけど、夕方くらいまでなら有りじゃない？
いわゆる「リッチなサウンド」ってやつなんだろうけど、何かもっと別の言い方が欲しい。
ライブ感のあるサウンドを目指したんでしょうね。車が走ればそこを車が走ったように聞こえ、オケが鳴ればオケが目の前に居るように聞こえる。
ポップコーンとドリンクおかわり自由で
座るところ沢山あって（大体の映画館はロビーの椅子は椅子取りゲーム）
その椅子がフカフカで
お行儀悪く騒ぐ人も居なくて
追加料金無しで音が良く
素晴らしいです。
はー凄かった。
絶対また来ようねと誓う我々なのでした。