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稲木紫織のアート・コラム ”Arts & Contemporary" Vol.3

遊び心を可視化する“妄想写真館”の愉しみ

 写真館で撮影したことがあるだろうか。成人式、卒業式、子供の七五三? 家族の行事や法事などか思い浮かぶかもしれないが、写真家の平間至さんと知り合い、宮城県塩竈市にある平間写真館の三代目でもある彼から、自身がオープンした平間写真館TOKYOのコンセブトを伺った時、その自由な発想に驚いた。

 晴れ着を着て笑顔のまま、ひたすら動かずにいなくてはいけない、堅苦しい印象を持っていた写真館だが、平間さんは、「どんどん好きに動いてもらって、その人が最もその人らしい瞬間を撮りたい」と語るのである。実際、ちょっとの間もじっとしていられなくて写真が撮りにくいやんちゃな男の子たちも、ハラハラする親たちを後目に、「楽しかった! また撮りたい」と大人気らしいのだ。

 そんな平間写真館だからこそ、個人的にお願いしたのが二つの企画だった。

「サンドとバタイユ 二人のジョルジュ」@平間"妄想"写真館 vol.1

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