クレッシェンドを観て
パレスチナとイスラエル、敵対する国が1つになって楽団を作るという平和活動の一環として集った若者たち。
指導するドイツ人講師もまた、戦争の深い傷を背負って生きていて…。
あらすじを読んだ時は、何となくきれい事を押し付けられそうで、観たいと思わなかった。
それでも何となく観たのだけれど、本当に劇場で観ることができて良かった。
パレスチナ、イスラエルにはそれぞれ大義があるから、ものすごく和解が難しい。
今まで、話し合いや外部からの干渉や手助けもあり、ようやく解決するのかと思っていたら、簡単に覆って更に激しい対立になったりした。
映画のプロットは、その深い深い歴史をなぞって作られたのだと思う。
どんなに憎しみを募らせていても、心底では必ず繋がっているんだと、必ず理解しあえるはずだと、人間の根底を信じたくなる。
押し付けもきれい事もないのに、そう感じさせてくれる映画。
圧巻のラストは長く心に留まる。
これからボレロを聴けば、私は必ずこの映画を思い出すんだと思う。
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