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新旧私的ジャングル10選



1. Lemon D - Change (1995)

ジャングルのオールドスクールを語る上で外せないキーパーソンであるLemon D。
ファンキーなサンプリングと内臓に直接届くような超低域サブベースとハイハットの目立つ気持ちのいいブレイクビーツは都会的だか土臭く、ブラックミュージックとのコネクションを常に感じさせるLemon Dのセンスが光る珠玉の一曲。


2. submerse - Rumble Pak (2020)

UK出身のプロデューサーであるsubmerseによるジャジーでアーバンなジャングル。ジャンルの枠組みに囚われずそのセンスを様々な場で発揮する彼による原初に還るような一曲。
このアルバムは全体が非常にジャングリッシュかつアンビエント、ジャズ、R&B、ソウル、様々な要素がクロスオーバーされた非常に完成度の高い内容なので必聴!


3. Dwarde & Tim Reaper - Feel The Magic (2020)

ジャングル重要拠点の一つGreen Bay WaxからリリースされたDwardeとTim ReaperによるEPからセレクト。
透き通るようなパッドと浮き出るベースの動きはインテリジェンスドラムンベース/アートコアの文脈を再認識させ、静と動のメリハリ、キラーフレーズとサンプリングの応酬がうまくマッチしている一曲。


4. Dead Man's Chest - Acid Inna Dancehall (2018)

ブリストル出身のDead Man's Chestは元々Evesonという名義でドラムンベースをリリースしており、Shogun LTDやGood Looking Records、V Recordingsなどの名門からリキッドでファンキーなチューンを主に手がけていた。
2014年からDead Man's Chestという名義で活動を開始し、Western Loreをローンチする。90年代のジャンキーとサウンドシステム、壁が汗で結露する危険だが惹かれるレイヴのサウンドを追求し続けた彼の作風が特に現れている一曲である。
彼の宗教的でストーリーを感じさせる作風が顕著に現れており、舌上にアシッドを置いて今すぐにでも踊り狂いたくなるような怒涛の展開は必聴。


5. Refreshers - Way U Smile (2021)

Rezzettの片割れであるLukidのジャングル名義であるRefreshersの一曲。
過剰にピッチアップされた女性ボーカルと低域で鳴り続けるサブベースとハイの対比と美しいレイヤーの構造は彼の高度な作曲技術を感じさせる。
B2の“Moving Up Dub“はビートの継続的な介入を許さない浮遊感のあるダビーなアンビエントなのでそちらも要チェック。


6. Origin Unknown - The Touch (1993)

誰もが知っているドラムンベースの超大手RAM Recordsから93年にリリースされたジャングル。裏面は説明不要のValley of the Shadowsだが、あえてこちらをセレクト。
洗練されたブレイクビーツのカッティングと吐き気を催すほどの破壊力を醸し出すうねるようなサブベースとAlisha Warren - Touch Meのサンプリングのハーモニーが織りなすダンサブルな一曲。
ジャングルのなんたるかを象徴する個人的なベストトラック。


7. Tom & Jerry - The One Reason (1992)

4heroによる伝説的ジャングルレーベルであるReinforced Recordsの下で発足した数あるサブレーベルの中の一つ、Tom & Jerryからの一曲。
Life Is Something Special - Peach Boysをサンプリングし、ソウルフルなカラーとジャングルのアッパーかつレイヴィーなサウンドを上手く落とし込んだ最強キラーチューン。
ちなみにバイナルは今現在結構な価格で取引されているので注意。


8. THUGWIDOW - Condense upon My Soul (2019)

マンチェスターを拠点に活動するダークかつトリッピーな作風のTHUGWIDOWが19年にリリースした“Ultraspirit“からの一曲。
薄く背後で鳴り続けるリバーブの効いたパッドとエッジの強い硬いブレイクビーツと一風変わった沈むようなベースは他のジャングルプロデューサーと一線を画していることを証明している。
全体を通してサイケデリックでアンダーグラウンド感の強いそのサウンドは一度聴いたら病みつきになること間違いなし。


9. Breakage - So Vain (2004)

現在のドラムンベースにおいてミニマル/ディープのスタイルを語るにおいて外せないのはロンドン出身のDJ・プロデューサーBreakage。彼のクラシックであるこの一曲はアーメンブレイクへの信仰をよりピュアなものにするであろう。
余計なものをそぎ落とし、アタック感の強いアーメンブレイクの連打と動きのあるベースが特徴的なこの一曲はジャングルとドラムンベースの両方面を象徴するマスターピースのような一曲であることに間違いない。


10. Tim Reaper - Cityscapes (2020)

モダンジャングルを代表するジャングル職人であるTim Reaperの数ある曲の中でも特に好きでヘビープレイする一曲。
透明で浮遊感のある音色と頭に残るメロディ、その進行とは裏腹に過激に暴れ続けるブレイクビーツのギャップと快感に付随する矛盾こそがジャングルの魅力であり、それらが全て詰まっている間違いなくモダンジャングル界のキートラックの一つ!



その他
Aphex Twin - Mt. Saint Michel + Mix Mix+St. Michaels Mount (2001)

ブレイクビーツの加速、人体の構造を超越した情報量こそダンスミュージックの魅力の一つだが、この曲は実験的だが身体性の軸を失わず理性ある崩壊が継続されたAphex Twinらしい一曲。
振り切ったレゾナンスと共に千切れそうなアシッドサウンドと荒々しいベースラインとブレイクビーツの連打はドラッギーで挑戦的。


Chris Cunninghamが手掛けたMonkey Drummerというショートフィルムも併せて視聴すべき!
サンプラーとシーケンサー、シンセサイザー、フィジカルの延長にあるサウンドの果てとは何か?



Matesu - Peshawar

ブラジルのプロデューサーMatetuによるアンビエントジャングル/ドラムンベース。
ミッドハイを透明感のあるパッドで埋め尽くし、アーメンブレイクとサブベース、フィルの特徴的なフレーズで流していくそのアーバンなスタイルは彼の様々なルーツを感じさせてくれる。



Writer - Hisaki

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