ONEPIECE

 いやはや、おみそれしやした!  って感じです。「ONEPIECE」(尾田栄一郎)。自宅で何気なく第19巻「反乱」をのぞいてビックリ。こんなマンガだったの?

 直線的でドライなタッチはぼく好みじゃないし、うるさい描写もヤだけど、バカにできない内容なんですな、これが。

 国王と国民が対立するアラバスタ国。しかしその陰には、陰謀を仕掛けて国を乗っ取ろうとする本当の敵がいる。それを知る国王は、目の前の敵(反乱軍)を攻めようと進言する部下をこう諭すんですね。〈国は人だ〉と。〈国の民を討ち滅ぼすことは国を滅ぼすことだ〉と。

  〈我ら「国王軍」が滅びようとも、クロコダイル(本当の敵)さえ打ち倒せれば国民の手によってまた「国」は再生する〉。〈だが、このまま我々が「反乱軍」と打ち合ってみろ〉、〈最後に笑うのはクロコダイル、奴一人だ〉。カッコいー。

 民主主義の世の中になったって、為政者の覚悟というのはこうでなくっちゃ。「国は自分だ」と思ってる手合いが多いもの。自分を捨てても国民による再生の道を切り開くのが、指導者の本当のあり方ってもんじゃない? 改革の主体は一人の指揮官ではない。一億の民なのです。(2001.07.25)

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