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がんと『他人との比較』

「近所の○○さんは、がんになって10年も経つのに元気そう。一方、私は良くて数年。10年はまず無理でしょうといわれた・・・」
「みんなあまり副作用ないのに、なんで私だけこんなに副作用がひどいの?」

このように、他の人と自分を比較して、
落ち込んでしまっていることありませんか?

僕はよくあります!

他の人と比較すると、自分にはないもの、足りないものばかり
いつも何かを求めている
そんな感覚に陥り、どんどん自分がみじめに感じてしまいます。

ことわざで、
「隣の芝生は青い」「隣の花は赤い」とよく聞きます
「隣のじんだ味噌」というのもあるらしいっす。
どれも、「他人は良く見える」という意味で
それに比べて自分は不幸だといって落ち込んでしまうというのは
何も最近始まったわけではなく、昔からあるということですね

特に、抗がん剤治療中となると、
副作用で大変だったり
腫瘍マーカーが上がってきたり
CT検査で腫瘍が大きくなってきたり
もう有効な抗がん剤はありませんと言われてしまったり

「何で、私だけ?」「他の人は大丈夫そうなのに!」
ことあるごとに、他の人と比べてしまいます。
そして、自分の状況への不満感や不幸感につながっていってしまいます

自分の治療がとてもうまく行っており
効果もいい、副作用もほぼない状況だった場合
病院で自分より副作用がひどそうな方をみて、一時的に「あの方に比べれば私はまだいい方だわ」と思えたとしても
一歩病院をでれば、そもそも健康(そうに見える)な方ばかり
「どうして自分ばかりこんな目に会わなければいけないの?」
と、結局は不満感を覚えてしまいます。

いつでも、どんな状況でも
下には下があり、上には上があります

下ばかりみていると、いつか自分もあのようになってしまうのではという不安感に苛まれます。
上ばかり見ていると、足下の小石につまずき、思わぬところで転んでしまうかもしれません。

ではどこを見て、過ごして行けばいいのでしょうか?
答えは、「鏡の中の自分」だと思っています。

①鏡の中の自分はどのように見えますか?

幸せそうに見えますか?
幸せに見えるのであれば、それでOKですよね。
他の人が自分より幸せそうにみえても、自分も幸せなのであればOKではないでしょうか?
その人のようになりたいと思ってがんばることは悪いことではないと思いますが
その人になることはできません(当たり前?)。
例えば、治癒の難しい進行した「がん」になってしまっても、「健康」な人のごとく過ごそうとすることは悪いことではないと思いますが、
何とかして「がん」を治して、「健康」に戻ろうとしてしまうと、無理を重ねてしまったり、失敗してしまう可能性がとても高くなってしまうと思います。


②鏡の中の自分が幸せに見えない場合

おそらくこちらの方が多いかと思います。
「がん」になって、「幸せ」なんて思えるわけがない
などと考えてしまうことは当然かと思います。
「なぜ、『がん』になんかなってしまったのだろう?」
「何が悪かった?タバコ?食事?」
「もっと●●をしておけば、こうはならなかったのではないか?」などなど
「幸せ」を感じられない原因は、自分で自分を責めてしまっていることであることが多いようです。

③自分に優しさを!

もし親友が「がん」になってしまった場合
「●●しなかったから、がんになったのよ!なって当然だわ!」
なんて、がんになって落ち込んでいる親友に向かって、さらに傷つけるような言葉は決して言わないと思います。
言いますか?
なのに、親友には言わない言葉を、自分には言ってしまっています。
自分の最大の敵は「がん」ではなく、自分自身かもしれません。

④鏡の中の自分に、優しい言葉をかけてあげましょう!

そういっても、自分に優しい言葉をかけるのは実は結構難しいです。
やはり自分自身には、厳しくなりがちです。
「もっとがんばらなきゃだめだ!」
「落ち込んでばかりいないで、しっかり前を向いて!」
「なんとかなるよ!気にしない気にしない」

「励まし」なのですが、つらいときには厳しく感じてしまう言葉の方がでてきやすいようです。

その様なときは
「がん」になってしまい落ち込んでいる親友を想像してください。
その親友をなぐさめてあげるために、何て言いますか?
できれば10個くらい書き出してみましょう!

  「つらかったね。大変だったね。」
  「今まで、がんばってきたの知ってるよ」
  「いつもそばにいるからね」
  「何でも相談していいからね」
(まだ、4つだ・・・)
  「いつも応援しています!」
  「何があっても味方だよ」
  「あなたは何があっても、あなただよ」
  「何も間違ってないよ」
  「あなたは全然悪くないからね!」
(9個まで来た。あと一つ・・・)
  「あなたが、今居てくれるだけで、私は嬉しいです」
(10個目、結構いいんじゃない?)

自分でワークをしてしまった・・・
参考になれば嬉しいです。

さて、10個書けたら
それらを「鏡の中の自分」にかけてあげてください。

親友を応援するように自分自身を応援する
自分への思いやりを
セルフ・コンパッション(self-compassion)』というらしいです。

この『セルフ・コンパッション』が高いと
不安や抑うつが低く
幸福感が高い
というデータが海外のみならず、日本でもあるようです。

他人との比較はやめて
自分に優しくしてあげましょう!

と自分に言い聞かせたよっていうお話しでした


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