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コーチング脳で『がん医療』を考える④

今回も引き続き、宮越大樹さんの著書『人生を変える!「コーチング脳」のつくり方』(ぱる出版)(https://www.amazon.co.jp/dp/4827212783/)を教科書として、『がん医療』にコーチングを応用する方法について考えていければと思います。

今回は、33ページから始まる第2章の内容を参考にしながら書かせていただいております。

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▼いま自分を動かしているものは何か?
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コーチングスクールでは、スクール生同士、授業の中や外で実際にコーチングをしあったりします。
また、先輩コーチのコーチングを受けたりして、実際にコーチングを体験しながら勉強していきます。
毎回、その時に話し合いたい何らかのテーマを提出して、それに対してコーチングを受けます。
僕の場合、テーマは「その時に困っていること」が多いです。
しばらく状況の説明をして、その後にコーチにこう聞かれます。
「それがどうなったらいいですか?」
それに対して僕は、「困っていることが解消したらいいです。」と答えます。
そうするとコーチはこう尋ねます。
「それが解消したら、その先に何を望みますか?」
「問題がなくなったら、あなたは何がしたいですか?」
そしてさらにこう問い続けられます。
「あなたが本当に望んでいることは何ですか?」

急に聞かれてパッとこの質問に答えられる方はかなり少数派だと思います。
少なくとも僕はすぐには答えられませんでした。
しかし、自分が「本当に望んでいるものは何か?」はとても大切な問題だと思います。

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▼がん治療の場合
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進行がんで抗がん剤治療目的に腫瘍内科へ紹介となっていらっしゃった方の場合
「抗がん剤治療を受けて、どうなったらいいですか?」と担当医から質問されたとします。
抗がん剤治療を受ける目的は何ですか?という質問ととらえてよいかと思います。
多くの方の答えは、こうだと思います。
「がんが治ったらいい」
患者さんがこのように返答した場合、ほぼ全ての担当医はこのように続けるでしょう。
「抗がん剤治療では、進行したがんを治すことは難しい状況です。」
「がんを治すことができないとしたら、どうなったらいいですか?」
その質問を受けての患者さんの答えもほぼ決まっています。
「がんが小さくなってくれれば・・・」
「がんの進行がゆっくりになってくれれば・・・」

コーチング脳で対応した場合はどうでしょうか?
「がんが治ったらいい」という患者さんの答えを受けての質問が違ってきます。
「がんが治ったら、何がしたいですか?」
「本当は何を望みますか?」
このように聞かれたがん患者さんは返答は人それぞれでしょうが、出てきた答えは、少なくとも「がんを小さくする」とか「がんの進行が遅くなる」といったものよりワクワクする答えであることは間違いないと考えます。
そして、そのワクワクする目的から目標を再設定した場合、「がんが小さくなる」とか「がんの進行が遅くなる」とかよりももっと大切な目標が見つかる可能性が高いのではないでしょうか?

この自分自身が本当に望んでいるものを「自分軸」と呼んだりしています。
そしてその自分軸に沿った目標であれば、それを達成するためのモチベーションも湧きやすいし、本当に叶ったときに幸せになれます。
自分軸に沿っていない目標は、「偽物の目標」と言われています。
上で言うならば、「がんを小さくする」とか「がんの進行が遅くなる」とかが「偽物の目標」になりますが、やっぱりモチベーションが湧きにくいと思いますし、叶ったときの幸福度もそんなに高くない可能性が高いと思います。

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▼自己理解の不足がしっくりこない目標を生む
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そうはいっても、「自分自身が本当に望んでいるものは何か?」をすぐに答えられる方は少ないのではないかと思っています。
質問されれば、とりあえずの答えは出てくるかもしれませんが、それを本当に望んでいるか?と言われると、
「どうかなぁ?」
「もっと他にしっくりくる望みがあるかもなぁ~」ってなってしまうかもしれません。
実際に僕はそんな感じでした。
これは、自分への理解(自己理解)が足りていないから起こることとされています。
そもそも多くの方は、目の前の課題に取り組み、それを乗り越えたと思ったら、また次の課題がきて、それに取り組むということを繰り返して来たと思います。
こういうことを繰り返してさえいれば、前に進んでいる気になりますが、もしかしたら進んでいる方向が目標と大きくずれてしまっているということも起こりかねません。
ですので、進んでいる方向が間違いないものであるかを考えるためにも、「自分自身が本当に望んでいるものは何か?」の答えは重要です。

しかし、進行がんになってしまい、抗がん剤治療を受けるしかないと言われて腫瘍内科を受診された方においては、「がん」という大きな課題を前にして、まずはその課題をクリアしないと他のことを考えることはできないような感覚になってしまっている人が大半です。
とはいえ、進行がんの場合、その課題自体がクリア不能な場合も多々ありますから、いつまでたっても、「がん」以外のことを考えることが難しいことになってしまいます。
「がん」になる前であれば、ある程度自己理解が進んでいた方でも、「がんである自分」を抜きにして、「本来の自分」への自己理解を深めるのはかなり難しいように思われます。
つまり、ただでさえ「自分自身が本当に望んでいるものは何か?」に答えることが難しいのに、「がん患者さん」においてはさらに難しいということの想像は難くないのではないでしょうか?

今のところ、このことに対する明確な回答は持ち合わせておりませんが、今後コーチング脳で『がん医療』を考え続けていけば、きっと答えが見つかるものと思っています。

今回はちょっと中途半端な感じかもしれませんが、ここまでとしたいと思います。

“コーチング脳で『がん医療』を考える”シリーズ④はいかがでしたでしょうか?
何か参考になることがありましたら嬉しいです。
次回以降もどうぞよろしくお願いいたします。

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