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大学院留学のメリットと向き不向き

留学を決断するまで

フランスの大学院に行くことを決めたのは大学2年生の半ば頃でした。私が在籍していたフランス語学科では、約7~8割の学生が3年目に半年から1年間、交換留学生としてまたは一般語学留学生としてフランスで過ごします。私も元々、学部時代に1年間留学、帰国後に卒業論文と就活というプランを立てていましたが、両親からの強い反対で断念しました。それでも留学自体をあきらめることはできず、時間とお金に余裕を持たせるためにフランスの大学院に留学することに決めました。基本的に修士課程(マスター)は2年間なので、少しでも長く滞在できるのであればそれに越したことはないと思ったからです。私にとっては「海外での勉強」というのが一番大切だったため、日本の大学院への進学は全く考えていませんでした。保険のための就活も全くしていません。今考えるとリスクが大きいですが、当時はそれだけ留学への思いが強かったのです。
学部生時代にしかできない経験もあり、友人たちと同じ時期に留学するのも絶対に楽しかったはずです。しかし、今言えるのは、この決断をして良かったということです。

大学院留学のメリット

自分の経験からフランス大学院留学のメリットを考えるとこんな感じです。

・奨学金審査とバイトのおかげでお金を貯める猶予ができた。
・フランス語の土台を日本で4年かけてしっかり築くことができた。
・卒業論文を通し、専門分野である犯罪史について深堀りすることができた。研究の目的が明確なので、学部探しとフランスの教授とのコミュニケーションがスムーズだった。
・必修の授業が少ないため、他学部の授業を聴講できる。
・学部生に比べると、大学院生は研究所で開催される講演会等の情報が手に入りやすく、他の研究者や教授と知り合う機会が多い。
・大学院は基本的に少数体制。教授の面倒見も良い。
・2年目に必須のインターンシップは自分の力を試す最高の機会。受け入れ先は基本的に自分で探す。フランス語とそれまで築いてきた人脈を駆使するチャンス。
・個人留学は全て自分で手続きを進める必要があるため、精神面も語学力も鍛えられる。

論文に必要だった本の一部。犯罪史なので、表紙も少しおどろおどろしいです。

大学院留学の向き不向き

このように大学院留学のメリットはたくさんあり、こんな人に向いています。
①研究が好きで、2年間かけて取り組みたい専門分野がある。

後に詳しく書きますが、フランスの大学院に進学するにはまず修士論文の指導教授探しから始めます。大学院の合否は、指導教官と前もって合意できているかどうかで決まります。そのため、自分の興味のある分野の専門家を見つけ、そのテーマについての論文を指導してもらえるかを確認しておく必要があります。「自分が研究したいこと」を決めておくことが大前提で、論文のテーマを決めるのは大学側ではありません。

➁自発的に計画を立て、授業と修士論文を両立させることができる。

学士課程に比べると、修士課程では授業数も生徒数もグッと減るため、学部内で友人を作るのが少し難しく感じました。毎日キャンパスに行って、友達や先生とすれ違っていた日本の学部時代が恋しくなることも多かったです。特に私はコロナ期間とちょうどかぶってしまったので、余計に人と接する機会が少なかったです。
また、修士論文の指導教授との面談も多くて月に1回、基本的には3か月に1回ほどです。どんな史料と文献が必要で、いつまでに読み終え、いつから論文を執筆するか、というようなプランを基本的に自分でたてる必要があります。このように、若干放置された状態でいかにメリハリをつけながら授業と研究に取り組むかが重要です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回からは準備期間についてお話ししたいと思います。

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