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『大学入試はじめの英単熟語ドリル』(旺文社/2/21刊行)

■書籍概要

 タイトルの通り,2/21に『大学入試はじめの英単熟語ドリル』が刊行されます。「大学入試はじめのドリル」シリーズ4作のうちの1つで,重要動詞と動詞絡みの熟語を4つのステップ(以下参照)のドリルを通して,重要動詞の「使い方」を身に着けていく問題集です。


ドリル1:見出し語を含む短い英文の部分和訳

ドリル2:ドリル1で扱った英文の和→英空所補充(音声を用いたディクテーションも可)

ドリル3:見出し語を含むより実戦的な英文の和訳問題

ドリル4:ドリル3で扱った英文の語句整序問題(復習として,音声を用いた全文ディクテーションも可)


章立ては(1)第2文型をとる重要動詞,(2)第4文型をとる重要動詞,(3)第5文型をとる重要動詞,(4)まちがえやすい!重要動詞,(5)第1文型・第3文型の重要熟語,(6)不定詞と動名詞をとる動詞,(7)意味を押さえておきたい重要動詞とし,(1)〜(6)で品詞や文型といった文法的観点でおさえておきたい単熟語を学び,(7)で意味的な識別が重要な語の区別を学ぶよう組み立てられています。本書を学習することで,①語彙のキャパを拡張する,②単語の「使い方」を定着させるに加えて,③文法で学習した内容と語彙をリンクさせることで,「英語の基礎体力を培う」ことができます。


■執筆に至った問題意識

①山本の考える英語学習観

「はじめに」より(一部加筆しています)

みなさんは「英語力」とはどんなことを指すと思いますか? 私は,英語力とは「基礎力」と

「運用能力」のかけ算でできていると捉えています。

英語力= 基礎力                ✕   運用能力

    ・語彙                    ・長文読解

    ・基礎文法                  ・英作文

    ・短文解釈                  ・自由英作文

                           ・誤文訂正 など

「基礎力」とは,スポーツで言えば基礎体力や運動神経に当たるもので,その分野全体のパフォーマンスに影響を与える力のことです(テニスをやろうがバスケをやろうが,運動神経と体力はあればあるだけいいですよね)。英語で言えば,語彙・基礎英文法・英文解釈などが該当します。「運用能力」は長文読解や英作文の分野で発揮される力であり,共通テストや大学入試問題の具体的な解法・対策も含まれます。そして「運用能力」は学校や問題集で訓練する機会が多くありますが,「基礎力」は基本的には「学習者が自ら身につける」ものとされています。英語の「基礎力」と「運用能力」はかけ算の関係にあるので,後者だけを頑張っても英語力は伸びません。「基礎力を学習者が自ら身につける」ことの大事さをぜひみなさんに知ってもらいたくて,本書を書きました。

本書では「基礎力」である英語の語彙について「はじめに押さえておきたいもの」,つまり英語の語順や文の意味の方向を決める重要な品詞である動詞にしぼって学べるようにしました。約300 の基本的な動詞フレーズを,特定の文型[後続要素]で使うもの,使い分けに注意すべきもの,意味的に区別が必要なものでまとめています。複数の用法がある基本動詞については複数の章にまたがって何度も出現するようになっています。


②問題意識

 私自身が授業をする際に,「品詞と文型が重要!」「まずは基本動詞の後ろにどういったカタチを取るのかを暗記しよう!」ということを初期段階に必ず受講生に伝えます。その中で,受講生から,「基本動詞の語法って何を使って学べばいいですか」と質問されることが多いのですが,それに対する明確な回答を持てずにいました。『システム英単語』をはじめとする単語帳に比較的真摯に取り組んでいる生徒たちですら,動詞の語法の定着は微妙ということが多い。そこで河合出版から刊行されている『英文法筋力エクササイズ1・2』に取り組んでもらうことで今までは対処をしていたのですが,「その1つ前」に基本動詞の語法を定着させる仕掛けがあるといいな,という問題意識から本プロジェクトがスタートしました。

 駿台予備校の田中健一先生からのご紹介で旺文社編集部から本シリーズの企画とドリルの執筆依頼をいただいた際に,当初は名詞・形容詞・副詞なども含めたいわゆる単語のドリルを構想されていましたが,上記の問題意識から,今後の語彙学習の方向性を示すという意味で「動詞に絞って,特に文型[後続要素]に注目できるものを」という私の提案に編集部の方に共感していただき,この形となりました。

 語彙の選定にあたっても基本的には定番の「絶対外してはいけない」レベルを基調とし,旺文社のロングセラー単語帳『ターゲット1200 / 1400』レベルの語彙を中心に掲載しながらも,難関大へのホンモノの語彙力をつけてもらうという観点から,「deny 01 02」などの,難関大学で問われる語彙も採用しています(なお,『ターゲット1200/1400』のレベルを超える語彙には例文に注釈をつけています)。


■本書の有効な学習法

本誌p2 「本書の特徴と使い方」を基本的には参考にしていただいたらよいですが,是非付属の音声を活用して,以下のような取り組み方をしてもらうと,いっそう学習効果が上がると思います。【ドリル1→2】の基本例文は【和文】→【英文】の順で収録(「DUO3.0基礎用の単語単体部分をカットしたイメージ」),【ドリル3-4】の実戦的な英文は【英文】のみの収録です。


☆取り組み例【徹底的に取り組むフルコース/複数回に分解可】

①まず【ドリル1】の部分の見出し語にサッと目を通す

②【ドリル1】のフレーズの和訳に取り組む

③【ドリル1−2】の音声を聞いて,和文で②の答え合わせ→英文を聴いて,【ドリル2】の答えを埋める(ディクテーション)。その際に和文との対応関係を見ておく。→答え合わせ

④【ドリル1−2】の英文を聴いて,瞬間和訳(英文を聴いて,口頭で和訳)

⑤【ドリル1−2】の英文を聴いて,瞬間英作文(英文を聴いて,口頭でもとの例文を復元)


⑥【ドリル3−4】の音声を聴いて,対応関係を見ながら【ドリル3の和訳】に解答→答え合わせ

⑦和文との対応関係を意識しながら,【ドリル4】の語句整序問題を解答→答え合わせ

⑧【ドリル3−4】の英文を聴いて,瞬間和訳(英文を聴いて,口頭で和訳)

⑨【ドリル3−4】の英文を聴いて,全文ディクテーション/シャドーイング


⑩各例文を「復文」(特にドリル1−2)



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