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【ごみ処理】54億円もの不要な支出を防ぐ!リチウムイオン電池廃棄問題。一人ひとりの心がけで財政負担がなくなる事例

夜でもヒルタです。
私、晝田浩一郎は、スマホやパソコン等様々なリチウムイオン電池で動く道具を利用しています。きっとこれを読んでいる方もそうだとおもいます。

生活に深く浸透しているスマートフォンやコードレス掃除機、ワイヤレスイヤホンなど、さまざまな電子機器に使われる「リチウムイオン電池」ですが、廃棄処理を誤ると重大な事件・事故につながることをご存知でしょうか。

便利なリチウムイオン電池だが、廃棄処理は適切に

リチウムイオン電池は便利な存在ですよね。繰り返し充電できて、様々なデバイスで使用できます。ただ、そんな役立つ電池が、不適切な処理方法によって火災の元となることがあるのです。

リチウムイオン電池には、強い圧力や衝撃が加わると発熱や発火のリスクがあります。自治体によっては「電池類」や「有害ごみ」として特別に扱う場合もあります。しかし、これらの電池が適切に処理されずに一般のごみと一緒に捨てられると、収集車や処理施設で圧縮や破砕される際に発火する可能性があります。

豊田市ではクリーンセンターで火災が発生し、3,500万円の修繕費用が必要で、さらには修理期間中は当然クリーンセンターはフル稼働できません。

驚くべき事実ですが、環境省の2021年度の調査によれば、年間の火災件数は約13,000件。さらに、日本全国の1734市区町村のうち15%にあたる255自治体で、リチウムイオン電池が原因とみられる火災が発生したとのこと。この結果は、まさに驚きです。

火災発生で滞るごみ処理と増える財政負担

豊田市(愛知県)ではごみの分別徹底と排出削減を求める「非常事態宣言」を発令するほどの事態に。火災により施設の処理能力が低下し、市民の生活に影響を与えています。

さらに、この問題は自治体の財政にも大きな打撃を与えています。例えば、宇都宮市では、ごみ処理施設が約38時間にわたって燃え続け、市はごみの搬出や修理に54億円の補正予算を必要としました。54億円!

本来だったらもっと別のことに利用できていた金額が54億円。増税がどうだとかコスト削減がどうだとかいろんな声がありますが、適切にごみ処理をしなかったことが理由で、54億円ものお金が消し飛んだわけです。

環境省の対応や自治体の対応もあるけども…

個々人の問題意識とゴミ処理の意識が重要です。
この問題を解決するために環境省は自治体向けの対策集『リチウム蓄電池等処理困難物対策集』を作り、今年3月に改訂しました。


環境省『リチウム蓄電池等処理困難物対策集

それでも抜本的な解決には至っていないのが現状です。これは地域ごとにルールが異なるため、市民一人ひとりが地元のルールを理解し、適切に電池を捨てることが必要だからです。

私たち一人ひとりが、リチウムイオン電池を適切に処分することで、この問題は改善できます。地元のルールについては、必ず確認し、適切な処理を心がけましょう。安全と環境のために。そして、ムダな予算をつかって必要な施策が実施できないことを避けるために。

「あたりまえ」は時代によって変化する

ちょっと前のツイッターで話題になっていたのが以下のツイート。充電式電池を充電式と知らずに廃棄してしまう、という内容。

「これだから今どきの学生は……(笑)」と一笑に付すのではなく。ごみ処理についても「当たり前」がどんどんと変化してきています。新しい材料やリチウムイオン電池等ができることによって捨て方が以前のようではなくなった。「とりあえず、燃えるでしょ!」とかいう考え方は通用しなくなった。

上勝町(徳島県)では、13種類45分別も分類しています。

上勝町のごみ分別
13種類45分別(2016年~)
上勝町ではごみをこれだけ分別しています
焼却・埋め立てごみをできる限り減らし、
なおかつ処理にお金がかからないよう考えた結果です。

しかし、分別の多さを自慢したいわけではありません。
こんな面倒なことをしなくても、
資源が有効に再利用される社会になることが理想です。

今できることを、町民自ら取り組んでいる。 それが上勝町の誇りです。

上勝町「Zero Waste TOWN KAMIKATSU

Webサイトにも書かれているように「資源を再利用していく」ための動き。そうした動きが過去の「当たり前」ではなかった。いまは、それが「あたりまえ」になっている。

社会が変遷するにつれて「あたりまえ」も変化する。ごみ処理についても、リチウムイオンをはじめ、便利だが不適切に扱うと危ないものがあるなかで、個々人のあたりまえをアップデートしていくことが一歩目であり、本質的にも重要。危険ゴミは危険ゴミとして処理しましょう。

各自治体で危険ゴミの処理方法を調べれます

岡崎市の場合だと、「充電式電池等をごみステーションで回収します」といったページがヒットするなど、各自治体でどのようにリチウムイオン電池等の危険ゴミを処理すれば良いか周知しています。


住んでいる自治体に確認して、安全で、安心な生活を続けていきましょう!

エコは、分別してゴミを捨てるところからでもできる。

さぁ、共創だ。

サポートありがとうございます! プレッシャーいただけたと感じてがんばっていきます!!