『カラスの呪いの夢』

夢を見た
短編ドラマ仕立ての夢で、ちょっと長くてホラーなため、苦手な人はお気をつけて
夢の中で私は20代後半で短髪、強い霊感を持ったガタイの良い男性だった

スーツを着て、電話で取引先に連絡をする、何らかの仕事をフリーランスでしている
今回の取引先はベンチャー企業に勤務する若い男性
チャラい見た目と粗暴な態度が癪に障るが、仕事なので仕方ない
話すこともなく無言のまま、一緒にタクシーで移動を始める

そういえば最近、怪我をしたカラスを助けた
小柄だがどうにも不思議なカラスで、恐らく神霊か動物霊か妖怪か、まぁなんかそんな感じだろう
悪意は感じられなかったから、悪いモノじゃないんだと思う

ぼーっと窓の外を眺めていると、ふっと黒い塊が視界の端をかすめる
いつの間にか、俺の膝の上にカラスがちょこんと乗っていた
これは……あのときの、あいつだな……いま、窓をすり抜けて入ってきたのか?いや、まさかな……
驚いて車内を確認するも、まだ誰も気付いていない

(おまえ、怪我は治ったのか)
(でもダメじゃないか、こんな人前に現れたら危ないぞ)
(元気になってよかった、今後も気をつけろよ)

コソコソと話しかけてから窓を少し開け、カラスを逃がそうとする
しかし、チャラ男が俺の不審な行動に気付いたらしく、いきなり勢いよくカラスを窓から振り落とし、汚ねぇっすよ、と一言呟いた

慌てて外を見ると、飛んでいるわけではないのに、コウモリのように逆さまに浮いているカラスがいた
カラスの体がクルクルとほどけていき、一枚の布のような薄さになる
禍々しい赤い目が光っている
何が起きているかはわからなかったが、直感的にこれはマズいな、と思った
今のこいつは悪意の塊のようになってしまった

その後は予感が的中したかのように、チャラ男の身にばかり危険が迫る
暴漢に襲われそうになり、倒木の下敷きになりかけ、
行く先々にカラスが追いかけてくる

なんとか生き延びていたが、結局チャラ男はトラックに轢かれてしまった
俺には大きな化け物が食い散らかしている光景が見えていた
化け物は一羽のカラスとなって、俺に構うことなく飛び去って行った

*雰囲気的に 世にも奇妙な物語 の一編みたいな夢でした。