ゆるしあえる存在
ぴたりとくっつく背中があつい。
シングルシーツの海にふたりなんて、嫌になっちゃうくらい狭い。
とてもとても狭い、はずなのに、どうしてかこれ以上の広さは不要な気がしている。
このベッドには、足を伸ばす余裕がある。
このベッドには、腕を広げる余裕もある。
入り組んだり、乗せたり、乗せられたり、物理的には確かに窮屈だけど、そこには心地よさすら感じられた。
本当は、余裕なんてほとんど存在しないのだろう。
互いが互いに不満を抱かず、胸の内にあるわずかな隙間を分け合っているだけだ。
でも、だからこそ、私たちはここで安心して眠ることが出来るのだ。