hirunotsuki読書会

月に1度開催している読書会の記録。

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最近の記事

第26回 中勘助「銀の匙」

第26回目の読書会の課題図書は、中勘助の「銀の匙」でした。 恩師、夏目漱石に絶賛され、その推挙により、東京朝日新聞に連載された自伝的小説。 その後、岩波書店から単行本が出版された。 茶箪笥の抽匣(ひきだし)から見つかった「銀の匙」から主人公の幼かった日々の思い出が語られてゆく。 「懐かしさ」と「やさしさ」に同じような体験をした昔の思い出が私の心に入り込んで来た。 銀の匙は、虚弱な主人公に薬を与えるために使ったものだった。 生まれつき、ひ弱な主人公は神経過敏で頭痛、吹出物

    • 第25回 トーマス・マン「道化者」

      普段は、インスタのみで投稿していますが、初めてnoteにも載せてみます。 第25回目の読書会は、トーマス・マンの「道化者」でした。 トーマス・マンの自伝的小説。 裕福で徳望のある紳商の四代続く上流階級の家に生まれた主人公。 家柄が良いことと、好きなことの芝居の演出、ピアノなど何でも器用にやってしまうことで人気者であり、仲間から尊敬と人望を得ることを心得ていた。 そんなことで父親から道化役者の才があると評されていた。 親の亡き後、多大な遺産を手にして悠々自適の生活を送る。

    第26回 中勘助「銀の匙」