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整数論のすごい本が出た

図解する整数論(丸善出版) 初版年月日2022年10月15日

以前からこんな本があれば良いなという本が出ました。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784621307281
だいぶ値段が高いです。
私はもう随分長く整数論のわかりやすい本を夢中になって読ん出来ました。

Amazonで少しだけ内容確認すると、昔シュプリンガーから出ていた、ジョン・ホートン・コンウェイの本に書いてあった、二次形式のダイヤグラムが、新しく出た本にも記載されているのがわかり、テンションが上がりました。
その、コンウェイの本は
「シュプリンガー数学リーディングス
素数が香り、形がきこえる―目で見る2次形式からはじまる数学」
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784431712084

この本は私にはとても難しかったのですが、第1章の、二次形式をダイヤグラムであらわすところはその発想にとても驚きました。
私は数学を専攻していませんが、発想の斬新さはとても感じました。

2元2次形式はガウスが完全に解明しましたが、コンウェイはその本で図表によって表示するという非常に視覚的な新しい方法を提示しました。
コンウェイの本で例として挙げられている二次形式は、
3x^2 + 6xy - 5y^2

2次形式 ax^2 + hxy + by^2 の係数とこの2次形式に対応する行列、などを調べて、他にも格子の基底を列ベクトルとする行列のグラム行列、
球の詰め込み問題に関連することや、コンウェイ独自の難しく新しい概念が目白押しで、正直言って最初の説明部分は全くちんぷんかんぷんでした。
見て面白くなってきたのは、基底と超基底の「トポグラフ」という図が出てきたとき。

正直、どういう規則でそのトポグラフ成り立っているか全然わかりませんでしたが、トポグラフの中にも湧き出し口や、いろいろな種類の二次形式によってトポグラフの形が変わっていくことなど、理屈はわからなくても眺めていて楽しいものでした。

そのコンウェイの本を読んだのが2006年のことでしたから、最近になって同じような種類の本が出版されたことにとてもテンションが上がっています。

特に、整数論の話がイラストとともに載っているというのがたまりません。
幾何学の難問(例えば、ペル方程式や類数の有限性)
がどのようにイラストのデザインとして書いてあるのか興味津々です。

整数論ではないですが昔似たような本で「ヴィジュアル複素解析」というものもありました。これも複素関数を視覚化するというコンセプトのとても良い本でした。まぁ半分ほども理解出来なかったですが
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2f47e7b748d4ca7022dc53305388a00b

★とにかく、自分にとってはとても興味の持てる待望の本が邦訳されて最近出たということで、今更ながら数学とくに整数論への情熱が燃え上がってきました。

A young female mathematician I know
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