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逆転裁判2を今更プレイした話 ※ネタバレ感想

 こちらの記事で話したように、先日人にお勧めされて逆転裁判を再プレイしました。

 魅力的なキャラクターも、「裁判」というこれまでのゲームに無いような舞台設定も、「この一本で全てをやりきる」という熱量の籠もったストーリーもどれも素晴らしく、もう一度遊んで良かったと心から思える作品でした。
 今回はその続編にあたる、逆転裁判2を先日クリアしたためその感想を書いていきます。相変わらずネタバレ満載+2までの内容のみをもとに書いた感想になります。ご留意のほどお願いします。


第1話 失われた逆転

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 無印の発売後、満を持して発売されたのであろう続編ということで「シリーズ作品初の続編の1話目」というある意味で掴みが最も重要な話です。逆転裁判2の1話目はタイトルの通り主人公の成歩堂龍一が記憶喪失になり、自分が弁護士であることや裁判での立ち回りを忘れてしまうというところから物語が始まります。主人公の記憶喪失を通して改めてゲームの操作方法や基本的なコマンドを再確認する、というチュートリアルを担う話です。

 1話が始まって早々にテンションが上がる場面として、冒頭の最初に表示される文章があります。逆転裁判2の一番初めに出てくる台詞は、前作の逆転裁判で一番初めに出てくる台詞と同じものになっています。

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 1枚目が逆転裁判のもの、2枚目が逆転裁判2のものです。続編ならではの遊び心がある素敵な演出だと思います。

 1話目で感動させられるのは、逆転裁判無印に比べて特徴的かつ大ぶりで、より楽しいものになったキャラクターの動きです。

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 1回のみの出番である1話の犯人も、逆転裁判無印の時と比べ多種多様な動きをするようになっています。逆転裁判は主要な登場人物以外にもそれぞれの事件に関わる個性的なキャラクターが魅力の1つですが、進化したキャラクターの動きは彼らの魅力をより引き立てていると思います。

 また、逆転裁判2の1話では改めて逆転裁判の時に物語の核の1つになっていた「依頼人を信じる」ことについて言及されます。

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 記憶を失っても、弁護側にとって不利な証言が出てきても、自分が落ち着いていられる理由を成歩堂は「依頼人を信じているからだ」と話します。記憶を無くしまっさらの状態の成歩堂がこの話をすることで、依頼人への信頼が彼にとってどれだけ大切なものかが1話では改めて描かれているように思います。
 そして、この「依頼人を信じること」は逆転裁判2で扱われる大きなテーマの1つにもなっています。そういった意味で、記憶喪失になった成歩堂の核に依頼人を信じる気持ちがある、と描写される2話は大切な役割を担っていると感じます。

 また、私は主人公である成歩堂の割とドライだったり辛辣だったりふてぶてしかったりするところが好きなのですが、記憶を完全に取り戻し真犯人を追いつめた時に悪い顔で笑う成歩堂を1話目から浴びてとても健康な気持ちになりました。

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 逆転裁判2の1話は、ゲームの操作方法を改めて確認しつつ、無印からの進化を実感しつつ、前作のキャラクターの魅力を改めて感じられる、「シリーズ最初の続編の1話目」としてとても良い話だと思います。


第2話 再会、そして逆転

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 第1話から少し遡って、逆転裁判無印の最後にお別れした真宵ちゃんと成歩堂が再会した時の話になります。逆転裁判無印は綾里姉妹が全編を通してキーキャラクターとなり、更に無印発売後暫くしてから追加された5話の「蘇る逆転」では宝月姉妹が出てくるなど何かと”姉妹”の圧が強い(褒めています)作品でしたが、逆転裁判2の2話もかなり”姉妹”を中心に取り扱った話となっています。

 2話でまず驚かされるのは、逆転裁判2からの新システムサイコ・ロックです。

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 逆転裁判シリーズでは法廷で証言の矛盾を突いたり検察側の主張に反論したりする裁判パートの他に、裁判で必要になる証拠品や情報を集める捜査パートがあります。サイコ・ロックは捜査パートで重要な事件関係者から話を聞く時に出現するものです。

 「なるほどくん、見えますか?
あのひとの心を閉ざしている”錠”です。
なるほどくんにだけ見える心理錠(サイコ・ロック)です。
かたく閉ざされている秘密ほどロックの数は多くなりますが......
......このていどならば、すぐに解錠できるでしょう」

 サイコ・ロックについて教えてくれるのは、真宵ちゃんの従姉妹にあたる綾里春美ちゃんです。彼女は千尋さんや真宵ちゃんに負けず劣らずの霊力を持っており、成歩堂をサポートしてくれます。

 春美ちゃんの説明の通り、サイコ・ロックは固く閉ざされている秘密ほど錠の数が多くなります。錠の数、錠を開くまでにかかる手間暇によって、その人がどれだけその秘密を守りたがっているかが分かるという面白いシステムになっています。中には錠の数こそ多いもののたった1つの証拠品ですべてが解錠されるという、頑固な性格の割に手のひら返しが早いというその人の心の在り方が何となく分かるようなサイコ・ロックに出会うこともあります。

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 様々なサイコ・ロックに出会う逆転裁判2ですが、印象的なサイコ・ロックの1つが成歩堂の師匠である千尋さんのサイコ・ロックを解錠する場面です。

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 成歩堂がそれまで頼りにしてきた師匠の千尋さんを相手に適切な証拠品を突きつけてロックを解錠するという、ある意味での師弟対決になります。錠の数が3個という2話の時点では最大に分類される数の錠がかかっているというのも、千尋さんを相手にすることの難しさが視覚的に伝わってきて好きな部分です。
 千尋さんがサイコ・ロックをかけてまで秘密にしているのは、2話で真宵ちゃんに殺人の罪を着せようとしたのが、2人の叔母にあたる綾里キミ子であるということです。彼女は千尋さんと真宵ちゃんの母親の姉にあたり、本来であれば綾里家を引き継ぐ立場にあったのですが、妹に霊力が劣ることで長女でありながら家督を継ぐことができませんでした。そのため彼女は、次期家長にあたる真宵ちゃんに殺人の罪を着せ、代わりに自分の娘である春美ちゃんを跡継ぎにしようとした、というのが2話の真相の一部です。
 叔母が跡継ぎを妹に奪われた恨みから、自分たちを快く思っていないことを千尋さんも真宵ちゃんも何となくではありますが感じとっています。そういった身内の間での怨恨についてあまり大っぴらにしたくはない、仕方の無いこととはいえ叔母に恨まれることを悲しいと感じる千尋さんの心情が伝わってくるようなサイコ・ロックは、作中でもとても印象に残っています。

 また、逆転裁判2の2話では3組の姉妹が主に登場します。無印からのおなじみである千尋さんと真宵ちゃん、真宵ちゃんの母親と真犯人と共謀して真宵ちゃんに罪を着せようとした綾里舞子と綾里キミ子、そして今回の事件の証人とその姉であり交通事故で亡くなった葉中のどかと葉中未実です。このうち事件の中心となる葉中姉妹には、残り2組の姉妹と重なる構図が描写されています。

 まず、葉中姉妹と綾里舞子・キミ子姉妹の共通点は「妹を殺そうとしている/殺した姉」である点です。姉の未実は、かつて自分が運転している車で起こした交通事故で妹ののどかを死なせてしまっています。そして、綾里キミ子は失踪した妹が20年経って死亡した扱いになるのを待っています(真宵ちゃんの故郷である倉院の里では、民法上の失踪宣告とは別に20年行方不明の人間は死亡した扱いになるという風習があります)。

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 このように、2話の真犯人である2人は、どちらもが妹を持つ姉であり、妹の死を望んでいる/妹を死なせてしまった姉でもあります。

 次に、葉中姉妹と綾里千尋・真宵姉妹の共通点は「妹の体を乗っ取って姉が話をしている」点です。前作でもそうしていたように、逆転裁判2でも千尋さんは真宵ちゃんの霊媒を通して真宵ちゃんの体で話すことがあります。霊媒が焦点にあたる今回の裁判では、霊媒中は霊を降ろしている霊媒師の顔つきや体格が変化することにも言及されます。

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 このような「真宵ちゃん(妹)の体を使って話している千尋さん(姉)」という構図は、2話の真相に大きく関わっています。それが、交通事故で死んだとされている葉中未実は生きており、顔を変えて葉中のどかとして生きている点です。交通事故の報道では死亡したのが姉の未実、生き残ったのが妹ののどかと伝えられていましたが、実際はその逆で、生き残った姉が顔に火傷を負ったことを利用して妹の顔になり、妹として人生を生きていたというのが真相になります。葉中のどかが持っていた写真を元に顔を復元する手術を受けたこと、被害者である霧﨑医師を殺した理由、2話で焦点が当てられた真宵ちゃんの霊媒のことを元に、捜査パートの途中で「こいつ妹じゃなくて姉なんじゃね!?」と気づいた時の衝撃は今でも忘れられません。


 このような姉妹同士の構図の掛け合わせが、2話の大きな魅力です。倉院の里については2話の最後にもう一悶着ありそうな雰囲気だったものの逆転裁判2の中ではこれ以降言及されなかったので、今後の作品で何か触れられることがあるのかな、と思います。1本で全てをやりきる構成になっていた前作と異なり、逆転裁判2はこういった続編前提の話の組み方になっているところに、逆転裁判というシリーズの成長をひしひしと感じます。


第3話 逆転サーカス

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 世界的に有名なイリュージョニスト、マキシミリアン・ギャラクティカ(愛称:マックス)の弁護を担当する事件です。彼が一時的に所属しているタチミ・サーカスの団長が殺され、その容疑者としてマックスが逮捕されたところから話が始まります。

 前作の3話にあたる「逆転のトノサマン」に続いてどこか愉快な雰囲気のタイトル、愉快な場所が舞台になっている3話ですが、「逆転のトノサマン」が丁寧に構図の組まれた話であったように「逆転サーカス」もかなり良質なシナリオだと感じます。

 「逆転サーカス」で主に描かれるのは、夢と現実の話です。サーカスは現実にあり得ないような光景を観客に見せる、夢のような空間です。反対に、逆転裁判シリーズの舞台になっている法廷は、証言や証拠品を元に動かしようのない真実を見つけ出す現実が存在している空間です。また、3話では事件の捜査をするにあたってサーカスの団員たちから話を聞くことで、夢のような空間を作り出すサーカスの内情という現実を知ることになります。

 夢と現実の話が展開される中、最も注目すべきキャラクターは、やはり被害者の団長の娘である立見里香(愛称:ミリカ)ではないでしょうか。タチミ・サーカスでピエロを演じている富田松夫(愛称:トミー)は、ミリカについてこのように話します。

「彼女にとっては、サーカスという”夢”が、そのまんま現実なんだ。
猛獣のダンス、空を飛ぶ魔術師、ひょうきんなピエロ......
......それが、彼女の現実のすべてなのさ。
いいコトか悪いコトかなんて、聞くなよ。
ピエロにはそんなの、わかんないから」

 彼の言うように、タチミ・サーカスで育ち団長に可愛がられて育ってきたミリカはかなり浮世離れした女の子です。彼女は腹話術師が動かす人形を本当に生きている人間の1人のように扱い、死んだ人はお星様になって夜に自分たちを見守ってくれている、といった夢物語を本気で信じています。死んだ人はお星様になると本気で信じているからこそ、ミリカは自分の父親が死んだ後も「夜になったら会えるから」と全く悲しそうな素振りを見せません。

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 夢の世界で生きているミリカには、どこか浮世離れした不思議な魅力があります。3話の依頼人であるマックスの他、腹話術師が動かしている人形のリロなど、多くの人がミリカに好意を寄せています。そんな彼女の魅力と現実離れした価値観は、今回の事件を引き起こした原因の1つでもあります。

 3話の真犯人は、タチミ・サーカスでかつてアクロバットの芸をしていた曲芸師、木下大作(愛称:アクロ)です。彼は幼いころ夜逃げした親に捨てられたところをサーカスの団長に引き取られて育ててもらった過去があり、団長に深い恩を感じています。
 そんな彼が何故団長を殺したのか。それは、アクロが殺そうとしていたのは団長ではなく、団長の娘であるミリカだったからです。捜査パートでアクロの話を聞いていると、彼の言葉からはミリカへの悪意が感じられます。

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 アクロがミリカを憎むのは、彼の弟である木下一平(愛称:バット)が昏睡状態に陥った事故にあります。マックスやリロがそうであるように、ミリカに好意を抱いていたバットは「ライオンの口の中に頭を入れる芸をして、成功したら一緒に映画に行こう」という賭けをミリカとしていました。結果、ライオンはバットの頭を噛み、彼は昏睡状態になり、ライオンを止めようとした兄のアクロも曲芸ができないほどの怪我を負ってしまいました。
 ライオンがバットの頭を噛んだのは、彼が首に巻いていたスカーフに胡椒が振りかけられていたからです。そしてこの胡椒を振りかけたのは、以前ふざけたバットに胡椒をかけられくしゃみをさせられた仕返しをしようとした、ミリカだったのです。つまり、アクロとバットが曲芸師の道を閉ざされたのは間接的にミリカのせいだということになります。
 勿論、ミリカに悪意があったわけではありません。そのことは当然アクロも理解しています。しかし、先述した通りミリカは現実離れした価値観を持っていることから彼らの怪我に責任を感じておらず、ただ無邪気に笑い続けています。それがどうしても許せなかったのだと、アクロは話します。サーカスという夢の世界の裏側で起こった、事故という現実が今回の事件の引き金になっていたのです。

 アクロとバットの事故だけでなく、今回の事件で団長が死ぬことになった原因も、実はミリカの無邪気さにあります。
 アクロはミリカを殺すため、彼女を脅迫状で呼び出しました。その脅迫状は、こういった内容の物でした。

殺人者に告ぐ。
決定的な証拠をあずかっている。
今夜10時、宿舎前の広場に来られたし。

 これはアクロがミリカのポケットに入れた物であり、「殺人者」というのは当然バットが昏睡状態になる間接的な原因を作ったミリカを指しているのですが、独特の価値観からそのことを全く理解していないミリカは「自分ではなく別の誰かに宛てたものだろう」と思いこのメモを食堂に張り出します。そしてこれを見つけたのが、ミリカの父親である団長だったのです。
 団長は、バットがライオンに噛まれた事故が間接的にミリカのせいだということを知っています。そして彼はこの脅迫状がミリカに宛てたものだと気づき、愛娘を守るためにミリカの代わりに広場に向かったのです。つまり、団長が亡くなったのは、無邪気なミリカが自分がかつて行ったことの重大さを理解せず、脅迫状を貼り出したからなのです。更に言うならば、ミリカを愛するあまり彼女に現実を見せることなく育てた団長にも、ミリカが自分の責任を自覚できなかった原因の一端があると思います。こうしてミリカは、彼女の無邪気さと純粋さ故に2つの殺人事件(厳密に言えばバットは死んでいませんが)の原因を作ってしまったということになります。

 そんなサーカスという夢の世界に生きているミリカは、法廷という現実で真実を目の当たりにします。彼女に現実を教える手引きをしたのは、ピエロのトミーです。

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 団員たちの中でも古株であるトミーは、夢の世界であるサーカスで働きながらも現実を直視している人の1人です。タチミ・サーカスがこのままでは時代遅れのサーカスで終わってしまうこと、団長がいなくなった今後のことをこの事件をきっかけに考えています。サーカスが生まれ変わるため、再出発するために必要なこととして、トミーはミリカに法廷で現実を見せると決めます。

 また、タチミ・サーカスと期間限定の契約を交わしているマックスはサーカスの団員たちを見下すような発言を頻繁にします。しかし、これらの発言は心から彼らを見下しているわけではなく、「ただ国内でくすぶっているだけじゃなく、世界を目指すような向上心を持つべきだ」という考えから来ています。

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 そんなマックスの言葉を受け、サーカスの今後を考えていたトミーは事件が終わった後に「このサーカスは世界を目指す」という目標を掲げます。それを聞いたマックスは、「世界一のサーカスには世界一のイリュージョニストが必要だろう」と言って、サーカスに残ることを決めます。その他にもマックスに対抗心を燃やした腹話術師が新しい芸の練習に取り組むなど、マックスの言葉は確かにサーカスの向上心に繋がっていきます。団長を亡くし、ミリカが現実を知り、マックスが世界を目指す志を説くことで再出発するタチミ・サーカスの在り方が、3話では丁寧に描かれています。
 余談ですが、1日目の裁判でマックスが「舞台に立つ前には牛乳を飲まないと緊張する」と話をした後の2日目の裁判で、純粋なミリカだけでなく他のサーカスの団員もマックスに牛乳の差し入れをして、「法廷の受付が給食センターのようになっている」と糸鋸刑事が話していることでサーカスの団員たちが心からマックスを憎んでいるわけじゃないと分かる描写がとても好きです。

 「逆転サーカス」のシナリオの魅力は、事件の関係者の誰もが根っからの悪人ではなかったというやりきれなさにあります。被害者の団長はサーカスとサーカスの団員たちのことを思いやる人格者でしたし、ミリカはただ純粋に夢の世界を生きている無邪気な女の子でしたし、アクロは恩人の団長を慕い弟を思いやる人でした。それでも、どうしたって避けては通れない”現実”がサーカスという”夢”の裏側にはあって、”現実”から目を逸らしてしまったことで悲劇が起きたというのが「逆転サーカス」で語られた話だったのではないかと思います。ミリカのことを殺人者と呼び脅迫したアクロが、最後に涙を流しながら「ただの殺人犯人ですよ......。オレは」と自分こそが殺人者になってしまったとつぶやく場面には、この事件の悲しさが詰まっていると感じます。

 また、ここで語られているどれだけ辛く厳しい物であっても現実を見つめなければならないという話は、検事と弁護士が法廷で行う役目として前作の5話「蘇る逆転」で語られていることでもあります。この話を踏まえると、夢と現実をテーマに描かれた「逆転サーカス」のシナリオがより趣深いものであると感じます。

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 夢と現実が中心のテーマとなっている「逆転サーカス」ですが、もう1つ考えさせられる点があります。それは、タチミ・サーカスの団員たちに散りばめられた狩魔冥との共通点です。

 狩魔冥は、御剣に代わって今作で成歩堂と主に戦うことになる検事です。名字からも分かる通り前作の4話「逆転、そしてサヨナラ」で成歩堂が戦った狩魔豪の娘であり、弱冠13歳にしてアメリカで検事になり、18歳になった今まで無敗を誇る凄腕の検事でもあります。
 そんな彼女は、タチミ・サーカスの団員たちと少しずつ共通点を持っています。たとえばマックスは先述した通り「芸人は国内でくすぶらず世界を目指すべきだ」といった旨の発言をしますが、冥も同様に日本だけでなく世界規模のスケールで物を見る発言を頻繁にします。

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 最も分かりやすいのは、ミリカの境遇との共通点です。3話で父親の団長を亡くしたミリカと、前作で父親が殺人犯として捕まった冥は、2人とも「父親をなくした娘」という境遇にあります。

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 更に、捜査パートで冥が話す、彼女が成歩堂を敵視する理由にはこの事件の真相と重なる点があります。冥は初めて成歩堂に出会った時に、彼を敵視する理由を”復讐”だと話しています。成歩堂や真宵ちゃんはこのことを父親の狩魔豪を逮捕に追いやった復讐だと思っていましたが、実際には冥の兄弟子にあたる御剣を敗北させたことの復讐だということが3話にて冥の口から明かされます。
 御剣は、逆転裁判2にて「検事・御剣怜侍は死を選ぶ」という書き置きを残して消息を絶っています(成歩堂は御剣が法廷を去ったことを裏切りだと感じてめちゃくちゃ拗ねており、今作で時折「御剣の名前は言わないでほしい」と真宵ちゃんや冥に圧をかけます)。このことについて、冥はこのように話しています。

「レイジは、私の弟......のようなものかしら。
彼は生きている。この世界のどこかで......かならず。
”検事・御剣怜侍は死んだ”? ......そりゃあそうよ!
だって、成歩堂龍一! アナタごときに敗れたのだから!」

 成歩堂に敗れたことで消息を絶った御剣の復讐をする。これが冥の成歩堂を敵視する理由です。ここで冥は年齢としては年上で、どちらかといえば兄にあたる御剣のことを「弟」と称しています。つまり冥の話をまとめると、「まだ生きてはいるが、ほとんど死んでいる状態の弟の復讐をする」ということになります。この話を聞いて、「逆転サーカス」の登場人物に1人思い当たる人物がいるのではないでしょうか。それは、「まだ生きてはいるが、昏睡状態に陥ってる弟の復讐をするためにミリカを呼び出した」アクロです。他でもない3話で冥の復讐の意図が明かされたことには、冥がわざわざ年上の御剣のことを「弟」と呼んでいることも相俟って、しっかりとした意図があるように感じられます。

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 このように、タチミ・サーカスの団員たちと冥にはいくらかの共通点が見受けられます。これらの冥とサーカスの共通点の結末は、逆転裁判2の最終話で描かれることになります。


第4話 さらば逆転

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 まるで最終回のような(実際にこの話は逆転裁判2の最終話ではあるのですが)タイトルの4話です。4話の物語をすべて見た後にこのタイトルを見ると、改めて噛みしめたくなるようなタイトルでもあります。

 この話の最も特徴的な点は、成歩堂の依頼人が本物の悪人である点です。今までの依頼人は全員が無実の罪を着せられた被告人であり、だからこそ成歩堂は依頼人を信じて裁判に取り組んでいました。しかし、今回の依頼人は直接被害者を殺してはいないものの、被害者の殺害を殺し屋に依頼したれっきとした有罪判決を受けるべき殺人犯です。

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 成歩堂が今回の依頼人である王都楼真吾(以下オートロ)の弁護を引き受けたのは、彼に依頼されて被害者を殺した虎狼死家左々右エ門(以下コロシヤ)に真宵ちゃんを人質にとられているからです。成歩堂は捜査を進めるうちにオートロの本性を知り、真宵ちゃんを救うために有罪であるオートロを無罪にしなければならないという板挟みに苦しめられます。今作からの新要素であるサイコ・ロックが、依頼人に対して作中最高数の5つ出てくる瞬間の演出は、大きな驚きと衝撃をプレイヤーに与えます。

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 逆転裁判は、あくまでも裁判を題材にしたゲームです。だからこそ「被告人が全くの無罪」という現実ではほとんどあり得ないような状況が設定されていて、そこから逆転して真犯人を見つけ出すというのがお決まりになっています。そんな中、依頼人が本当に有罪の悪人だったらどうするのか?を描いたこの4話は、かなり挑戦的かつある意味で弁護士を主人公に据えるにあたり避けては通れないテーマに触れた話であると感じます。

 オートロの弁護を通して語られるのが、検事と弁護士が法廷ですべきこととは何か?という話です。「依頼人を救うために弁護士になった」と話す成歩堂に対し、検事局に帰ってきた御剣はこのように返します。

「成歩堂。......カンちがいするのもいいかげんにしろ。
われわれはヒーローではない。......たかが人間なのだ。
”だれかを救う”......?
そんなことが、カンタンにできるワケ、ないだろう。
キミは、弁護士だ。そこから逃げることはできない。
キミは......戦うしかないのだ」

 以前逆転裁判無印の感想を書いた記事にて、私は3話「逆転のトノサマン」で殺人者になってしまったトノサマンが子ども達の憧れに返り咲くことと、無実の被告人を信じられなくなった御剣が再び真実を見つめ直すようになったことが重ねて描かれていると書きました。このようにトノサマンというヒーローと、かつて周りから責められていた成歩堂を救った御剣が重ねて描写された前作の後に、「われわれはヒーローではない」と他でもない御剣の口から話されることには深い重みがあります。

 実際に、検事の仕事は被告人を何としても有罪にすることではありませんし、弁護士の仕事は被告人を何としても無罪にすることではありません。それでは、検事と弁護士がすべきことは何なのか? 前作でも触れられたこのテーマが、更に明確に深堀りされるのが逆転裁判2の4話となっています。

 このテーマに触れるにあたり、4話で中心となっているのが「信頼関係」の話です。1話で触れられた通り、成歩堂にとって依頼人を信じる気持ちは大きな武器になっています。それでは、依頼人が到底信じられないような悪人であった時、成歩堂はどうやって事件の真実をつかみ取るのでしょうか。
 4話には2つの信頼関係の話が出てきます。1つは殺し屋と依頼人の信頼関係、そしてもう1つは検事と弁護士の信頼関係です。

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 4話で被害者に実際に手をかけた犯人であるコロシヤは、依頼人との信頼関係を重んじる殺し屋です。コロシヤが真宵ちゃんを人質にとってまで成歩堂にオートロの弁護を依頼したのは、依頼人が逮捕されないようにするという彼の流儀によるものです。コロシヤは依頼人との信頼関係を完遂するためには、トランシーバー越しに法廷で偽の証言すらします。

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 成歩堂と同じように「依頼人を信じている」コロシヤを通して描かれているのは、ただ依頼人を信じて真実に背き有罪の人間を無罪にするならば、そんな弁護士は殺し屋と変わらないということです。これは弁護士だけでなく、無罪の人間を何が何でも有罪にする検事でも同じことが言えます。成歩堂がこれまで1つの核として行ってきた依頼人を信じることの本質が、この4話では問われているように思います。

 そんなコロシヤと依頼人の信頼関係に対比して描かれているのが、成歩堂と御剣の間にある弁護士と検事の信頼関係です。一見対立している立場の弁護士と検事に、信頼関係という言葉は当てはまらないように思います。しかし、この信頼関係について御剣はこのように話します。

「われわれは、あらゆる手段を使って、被告を攻撃する。
しかし、そのたびに......
どんな絶望的な状況でも、決してあきらめることなく......
食らいついてくる男がいた。悪夢のような信念を持って......
そして、私はいつしか......その男を信頼し始めていたのだ。
だれかが、どんなにキタナイ手を使っても......
真実はかならず、カオを出す。
われわれにできるのは、全存在をかけて戦うことだけだ。
......やがて、ナゾは1つずつすがたを消して......
最後にわれわれは、たどりつく。......かならず。
......1つしかない”真相”に」

 弁護士と検事の本来の在り方とは、ただ被告人の有罪と無罪を争うことではなく、お互いに対立する立場で意見を出し証拠を出し合うことで真実を見つけることです。これは前作の逆転裁判無印でも成歩堂と御剣を通して描かれていたことではありますが、それが更に明確に描写されているのが4話のシナリオです。
 今回の裁判で、真宵ちゃんを助け出すために密かに協力して裁判を長引かせることにした成歩堂と御剣は、裁判を終わらせないため時に成歩堂が容疑者の1人である華宮霧緒を有罪にしてしまいかねない証拠品や証言を突きつけるのですが、それでも行き過ぎてしまった時は御剣が止めてくれるだろうという信頼を持って成歩堂は裁判に取り組みます。弁護士と検事が全存在をかけて戦い、矛盾を無くし、真実にたどり着いたとき、本当の犯人が明るみになる。そしてその犯人に有罪判決が下される。だから弁護士と検事は対立した意見を全力で出し合い、お互いが真実から逸れてしまわないようにする。それが、弁護士と検事の信頼関係です。

 信頼関係を武器に戦った成歩堂と御剣は、相手側の殺し屋と依頼人の信頼関係を崩すことで真実をつかみ取ります。今回の事件で、依頼人のオートロはコロシヤのことを信じておらず、弱みを握られないようにするために犯行現場に監視カメラを設置していました。依頼人を信じているコロシヤ、お互いに真実を見つけ出すため信頼し合っている弁護士と検事に対し、オートロは他人のことを誰も信じていない人間です。そのことを知ったコロシヤはオートロの裏切りに憤慨し、契約を打ち切って次の標的を裏切り者のオートロに定めます。
 オートロの身を滅ぼしたのは、誰も信じなかった自分自身です。それを象徴するかのように、彼は裁判の最後、自身の有罪を認める時に俳優にとって命とも言える商売道具の自分の顔をズタズタに引き裂きます。衝撃的でありながら、彼の末路をこれ以上無く表したブレイクシーンだと思います。

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 ちなみにこの裁判では、真宵ちゃんを人質にとられ追いつめられた成歩堂が、オートロの有罪を求めるか無罪を求めるかを選択できる場面があります。この選択は直接ゲームクリアに関係する選択肢ではないのですが、真宵ちゃんの命を救うことを諦め有罪をとるか/霧緒に無実の罪を被せて無罪をとるかをプレイヤーに問いかける選択肢になっています。そしてこの選択について、裁判が終わった後に千尋さんは「あの時の選択があなたにとっての”弁護士とは何か”を象徴している」と語ります。今までの依頼人は必ず無罪であるという前提を覆し、成歩堂にもプレイヤーにも苦戦を強いる状況の中で出されるこの選択肢は、強く心に残る選択の1つではないかと思います。
 余談ですが、私はあくまでも成歩堂を通した自分が”弁護士として”法廷に立っていることを鑑みてオートロに有罪を求めることを選びました。きっとそれぞれのプレイヤーに、それぞれの選択と、その選択肢を選んだ理由があるのではないかと思います。

 また、私はコロシヤに契約を打ち切られたオートロに向かってここぞとばかりに「無罪判決になって良かったですね(=これから毎日コロシヤに殺されることに怯えながら過ごしてくださいね)」と悪い笑顔で言う、辛辣な成歩堂が狂おしいほど好きです。

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 こういった信頼関係が描かれる一方で、信頼することの危うさも描かれているのが4話の秀逸なところです。今回オートロに無実の罪を着せられそうになった華宮霧緒は、しっかりと自立した女性のように見えて、その実他人に依存しないと生きていけない人物であることが事件の中盤に明かされます。

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 霧緒はかつて心から信じていた仕事の先輩が自殺した時に、自分も後を追って死のうとしたほど他人に依存しています。彼女の存在によって、人を信じることは大切だが、”信頼”と”依存”を履き違えてはいけないということが4話では描かれています。

 そんな危うい精神状態にあった霧緒ですが、事件の最後には無事に無罪となり心からの笑顔を見せます。また、この事件をきっかけにはじめて自分自身と向き合ったこと、成歩堂と御剣の力でオートロが有罪になったことで心から救われたことを話します。
 先述した通り、弁護士と検事はヒーローではなくただの人間です。誰かを救うことは簡単にはできません。それでも、弁護士と検事が真摯に真実に向き合い事件が解決した時、確かに救われる人がいるかもしれないということを霧緒の笑顔は教えてくれます。無実の依頼人を無罪にするだけでなく、悪人の依頼人を有罪にすることで救われる人もいる、という4話の終わり方は、これまでずっと弁護士側の無罪判決で救われる人を描写してきたからこそより染み入るものがある終わり方だと思います。

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 また、4話にはもう一つ個人的に好きなところがあります。それは、悪人に対する法廷での弁護士と検事のスタンスです。今回の被告人であるオートロは、殺し屋に殺人を依頼した以外にも性根に問題のある悪人です。彼がどれだけ自分勝手な人間であるかは、法廷で今回の事件をたどっていくに連れてどんどん明らかになっていきます。そんな中で、御剣はあくまでも「こちらに被告人の人格を攻撃する意図は無い。検察側の目的はあくまでも被告人の犯罪の立証だ」という姿勢を貫きます。

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 しかし、そんな御剣に対してこの裁判を傍聴している一般の人たちは、外野からオートロの人格を攻撃する言葉を放ち、更にはオートロを弁護している成歩堂のことまで悪人のように扱います。

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 傍聴人の言うように成歩堂が涼しい顔でオートロを弁護しているわけではないことは、彼を通して板挟みの苦悩を知っているプレイヤーが何よりも分かっています。こういった傍聴人の良くも悪くも大衆的な物の見方は、正に何故弁護士という存在が必要なのか?を表しているように思います。
 凄惨な事件を引き起こした犯人を知った人たちは、救いようのない悪人に弁護など必要無いと思うのかもしれません。そういった悪人を弁護する弁護士を、悪人の味方をする悪いやつだと思うのかもしれません。しかし、感情だけで物事を決めつけ、悪人の味方をする視点を持たずに裁判を推し進めてしまえば事件の真実は見えて来ないということは、前作からこれまでの事件を弁護士側から見つめてきたプレイヤーがよく分かっているはずです。弁護士と検事が正義のヒーローではないように、裁判所も決して正義の味方ではありません。裁判所は、あくまでも公正に判断を下す場所です。裁判所が公正な判断を下すために裁判では様々な側面から事件を見つめる必要があり、その中で被告人側から事件を見つめる役割を担っているのが弁護士なのだと、プレイヤーは改めて4話で感じられるのではないでしょうか。
 4話の傍聴人は成歩堂がオートロの弁護をしていることを悪し様に言いますが、大多数の人が被告人に対してそういった感情的な攻撃をするからこそ、弁護士という仕事が必要なのだとこの場面からは分かります。それを理解して傍聴人から攻撃されても法廷に立っている成歩堂と、オートロの人格を攻撃することなく裁判を進める御剣のことが、私はとても好きです。

 一連の事件で成歩堂と御剣の信頼関係と同時進行で描写されるのが、今作で対立する検事であった冥についてです。今回の事件で、冥は本来事件を担当していたのですが、コロシヤの狙撃によって入院することになり代わりに御剣が事件を担当していました。ちなみにこの時冥が撃たれたのは右肩であり、かつてDL6号事件で彼女の父親が御剣の撃った銃で怪我を負った箇所と同じところを怪我しています。
 今回の事件で、今まで無敗だった成歩堂は初めて敗北したと言えます。これは、彼が前作の御剣や今作の冥と同じ立場に立ったということです。しかし、成歩堂は彼らのように自分の敗北をショックだとは考えていません。なぜなら、成歩堂が裁判の末につかみ取ったのは嘘偽りの無い真実と、罪を着せられずに済んだ女性と無事に助かった真宵ちゃんの笑顔だったからです。オートロを無罪にしていたら、成歩堂は裁判に勝てたとしてもこれらの大切なものを得られなかったと思います。
 ここで噛みしめたいのが、4話のタイトルである「さらば逆転」という言葉です。逆転無罪を勝ち取ってきた今までの裁判と異なり、今回の裁判では成歩堂は逆転無罪を勝ち取ることはできませんでした。そういった意味で、このタイトルは「さらば逆転」となっているのだと思います。しかし、これについて千尋さんは「あなたが手にしたのは、たしかに”無罪判決”ではないわ。でも......あなたにもわかったでしょう? 弁護士にとって、”無罪判決”より大きなものがあることを」と話し、それに対して成歩堂は力強く頷きます。この話は、勝利を以て完璧を良しとする冥の姿勢と対比をとって描かれており、成歩堂に負けた冥は検事を辞める意思で自分の鞭を捨て裁判所から出て行きます。
 そして、エンドロールの最後に冥は兄弟子である御剣と会話を交わします。冥はそこで初めて完璧な父親の娘として自分も完璧でなければならなかったこと、自分は天才ではないと分かっていながら努力して天才であり続けなければならなかったことを明かします。今までの自分を捨てることなんてできないと言う彼女に対して、御剣はこう話します。

「......できるさ。あの華宮霧緒のように、な。
キミは、彼女と取引して、利用したつもりだろう。
しかしキミだって、父親に...... 狩魔豪に、依存していただけではないか。
......キミは今日、私に追いついたのだ。われわれは今、ここに並んで立っている。
......しかし。私は立ち止まるつもりはない。
......キミが歩くのをやめると言うのならば...... ここでお別れだな。狩魔冥」

 その言葉を聞いた冥は、それまでの強気な態度から一転して、どこか年相応の泣き顔でこれからも検事として歩み続けていくことを決意します。

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 ここで思い出してほしいのは、3話の「逆転サーカス」でタチミ・サーカスのメンバーと冥が部分的に重なって描写されていたことです。3話において、タチミ・サーカスは大きな支えであった団長を失った後も世界を目指して歩み続けていくことを決めます。このタチミ・サーカスの在り方は、大きな支えであった父親の教えを敗北によって失った後も、世界的な検事として戦っていくと決めた冥の在り方と重ねられているように思います。

 これらの描写は単なる深読みかもしれません。しかし、冥とサーカスの進路をまるで重ねるかのように、世界を目指すことにしたタチミ・サーカスが一番初めに進出する国は、冥が育った場所と同じアメリカだと後日談で分かります。

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 今まで作中でヒーローのように描かれてきた弁護士と検事は、特撮ヒーローの演者がただの悪人であったようにただの人間でしかないこと。弁護士と検事は、信頼関係を以て事件の真相を法廷で突き止める存在であること。主人公の依頼人は無罪であるという前提を覆す衝撃的な展開のもと、裁判をテーマにした作品においてとても大切なこれらのテーマをまとめつつ、狩魔冥という新しいキャラクターを丁寧に描写し、最高のカタルシスを得られる4話「さらば逆転」は相当な完成度を誇るシナリオだと思います。



 前作に引き続き、引き込まれるように逆転裁判2もクリアしてしまいました。かなり完成度の高い前作の後の続編ということで、どんなものが飛び出してくるかという期待があったのですが、その期待を遥かに上回る進化したシステムや良質なシナリオで遊んでいる間ずっとワクワクさせられました。いつになるかは分かりませんが、近いうちに逆転裁判3も遊びたいと思います。こちらも周りで特別評価が高い作品なので、すごく楽しみです。




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