シンウルトラマン感想

シンウルトラマン、面白かったんだけど、なんだろ、ちょっと変わった面白さだったな。


「あの時憧れたウルトラマンを魂込めて丁寧にリメイクする」という、愛の溢れ方を楽しむ映画って感じ。
あえてチープっぽく残している所とブラッシュアップした所の差異で、当時どういう表現に憧れて、どこが気に入っていなかったかがすごく伝わってくるね。

CGがチャチくてしばしば挙動がおかしい(シンゴジラの電車みたいな)ところは普通に気になった。
特にメフィラス星人と光線を撃ち合う時の、脱力→光線射出の挙動の不自然さはヤバかった。

あれだけエヴァなどで巨人のフェチズムと表現力に長けている人が、
地面を踏みしめたときに砂埃も巻き上げないし画面も揺らさないし、挙動も巨人っぽくせずにキビキビ動かしたりしてる。
原作に愛がありすぎてめちゃめちゃチープにしてる。
一周回っとる。

巨人表現もチープだし画面もジオラマ感が強くてチープなんだけど、あえて庵野秀明色に染めないところに愛を感じて、
それを楽しめるかどうかがこの映画の評価の分かれどころだと思った。

長澤まさみが巨大化したシーンはなんかすげー白けた。
ていうか長澤まさみってあんな顔だったっけ?
スタッフロール見て初めて気づいた。

ゼットンの1兆度の火の玉って設定、
絶対当時テキトーに考えた子供だましの設定だろと思ってたけど、
映画内でマジレスして人智を超えた強大な力として表現してたのはよかった。

神永の昭和感が強すぎる顔はめちゃめちゃ好き。

総評としてはどうだろ。
うーん、
原作のシーンが盛り盛りのジョジョのゲームのPVを観た感覚に近いだろうか。

退屈はしなかったし戦闘シーンもチープながら格好良かったし、
当時ワクワクしてウルトラマンを観ていた庵野少年の姿が目に浮かんだのでそういう意味では面白かったけど、
2回目観たくなるような映画ではないくらいか。
ただ原作ウルトラマンはちょっと観てみたくなった。
84点!


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