見出し画像

嗅ぐ力をチェックする7つの項目#5

5 鼻が詰まり気味でないか

鼻が詰まった状態の時、あたりまえかもしれませんが、においがわかりにくくなります。
鼻が詰まって嗅ぐ事ができないからです。
風邪を引いたとき、花粉症の時などいくつかの症状の結果、鼻が詰まります。
ふだん経験したことありませんか?

においや香りを嗅ぐときに必要な細胞があります。嗅細胞といい、鼻の中にあり、においを待ち受けています。
その細胞ににおいが触れると検知して、においがわかるという仕組み。ここで重要になる嗅細胞について気になる研究結果があります。

東京大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・聴覚音声外科、山岨達也教授と菊田周助教らは、新しく生まれた嗅細胞は、におい届かないとき細胞死してしまうことをマウスで発見しました。*1 嗅細胞は生まれてから7〜14日の間に、においが届かない状態でいると嗅細胞が死んでいく臨界期がある事を見つけました。

嗅細胞は新しく生まれます。そのため細胞が死んでしまったらどうしよう、と深刻に心配することはありません。
しかし、嗅細胞が成長しないと、においを検知する成長した嗅細胞の数がいつまでたっても、満タン状態でないのです。
においを嗅ぐのに必要な細胞の数が満タンでないということは、嗅ぎ取る力のパフォーマンスが最大になりません。
鼻が詰まると嗅細胞の数が最大でなくなるため、嗅ぐ力が弱くなる可能性があります。
ふだん慢性的に鼻づまりの方は、「鼻づまりだからにおいに敏感じゃないんだよね」という方、多いかもしれません。

また、鼻づまりの原因に鼻ポリープ(鼻茸・はなたけ)があります。鼻の奥にキノコのようにできる鼻茸が鼻の穴の中で邪魔して鼻の穴を狭めるのです。 
この鼻ポリープが鼻の穴の奥の鼻腔を狭めるため、嗅ぐ力の低下を引き起こします。*2 

どちらにしても、うまく鼻呼吸ができない状態が長引くと嗅ぐ力に悪影響を及ぼします。

鼻が詰まっていることが多い方は、嗅ぐ力を気にしてみてください。
嗅ぐ力が低下している可能性があります。

*1 Kikuta S, Sakamoto T, Nagayama S, Kanaya K, Kinoshita M, Kondo K, Tsunoda K, Mori K, Yamasoba T. Sensory deprivation disrupts homeostatic regeneration of newly generated olfactory sensory neurons after injury in adult mice. J Neurosci. 2015 Feb 11;35(6):2657-73.

*2 Holmberg K, Karlsson G. Nasal polyps: medical or surgical management? Clin Exp Allergy. 1996 May;26 Suppl 3:23-30.

#嗅ぐ力をチェックする7つの項目 #鼻ポリープ #嗅覚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?