自分がつくった草野球チームから戦力外通告された件
「どういうことなの?」
「うん、これはもう決まったことだから」
「いや、決まったことってまったくそんな話なかったよ?」
「うん、オマエ抜きでちょっと会議してな・・・みんなからの意見も聞いてそういうことになった、満場一致で」
「あのさ、おかしくない?この草野球チームつくったのって俺だよ?」
「うん」
「会社でみんな野球やりたいって話になって、じゃあっていうんでスポンサーみつけてユニフォームだなんだって球場の予約まで全部俺だよ?」
「それはありがとう」
「おまえに至っては野球未経験で全部俺の道具じゃん、スイングの仕方から投球のフォームも全部俺が仕込んだんだろ?」
「わかってる。それはみんなも本当に感謝してる。でもな・・・楽しむ野球っていうのはもういいんじゃないかって話になって」
「は?・・・それってこないだの地区大会で一勝してその話?」
「いや・・・」
「おまえら本当にバカな?あんなクソみたいなチームに互角に戦ってやっとこさ勝ってなに勘違いしてるの?」
「メジャーも視野にいれてやっていこうってなって・・・」
「ちょっとまって、社会人がビールおいしく飲むために週2でやってるチームがなんでメジャーなんだよ!アホすぎだろ」
「・・・・で、まあ、浜口はそういう方向性のままで行くだろうし、我々は・・・」
「メジャーってメジャーリーグのことだよね?アメリカの・・・」
「うん。今は結構日本人の枠もいっぱいあるだろうし」
「あの人たち趣味でやってんじゃないからな?わかってんの?」
「俺たちもそうだから」
「まあいいわ、もう。がんばれ、応援するわ俺」
「ありがとう」
「・・・・・」