万引きGメンVS老人
「おじいさん、ちょっと待ってもらえますか?まだレジで払ってない商品ありますよね?」
「え?ああ・・・やっと話しかけてくれたの」
「え?!」
「いや、店内でずっとつけまわして私のこと見てたから」
「・・・そうです、おじいさん怪しい動きしてたんでね」
「しつこいなぁって思ってたんだよ。で、どうしたの?」
「いや、だから言ったでしょさっき。まだレジ通してない商品をそのバックの中に入れたよねって」
「若い頃はさ、女から声かけられることもよくあって。俳優もしてたことあったからさ、背丈も今よりあったし、目立ってて」
「うん、そういう話をしてるんじゃなくってね・・・」
「アンタもねちっこく私のこと見てたね。嫌になっちゃうよ、あからさまなんだもん」
「おじいさん、そうじゃなくって、万引きをするだろうなって見てたのね、私」
「ウソおっしゃいよ、俺の下半身をチラチラ性的に見てたよ完全にあれ。万引き見てるんだったら手元だもん普通はさ」
「万引きって店に入って物色してる時点で私たちはわかるんですね。身体全体の緊張感とか所作すべてで。それを見ていたんだと思います。じゃあとりあえず、事務所のほう行きましょうか」
「なにそれ、いいわけがましい・・・ちょっと!!触るなよ!!!痴漢です!!たすけて!!」
「ちょっと騒ぐのやめましょ?ね?警備員さん、店長呼んできて!」
「ほら、身体を密着させないでよ。なにアンタ変態!!」
「話をすり替えようとしてもダメ。万引きは犯罪」
「痴漢も犯罪!」
「事務所でけりつけましょう、どっちなのか、ね?」