バスの停留所にて

「あの・・・」
「・・・・?」
「さっき、バスに乗ろうとして間に合わなかったですよね?」
「・・・・・」
「いや偶然見てて」
「・・・・・」
「ごめんなさい、話しかけて」
「・・・・・」
「ああいう時、バスに乗ってる人に見られてるのきまずいですよね?」
「・・・・・」
「いや、僕もこないだそういうことあったから、慰めるじゃないですけど共感できるなって思って」
「・・・・・」
「ああ、別に口説こうとかそういうのじゃないですよ」
「・・・・・」
「いや、こう見えて学生のころとか結構モテてたんですよ」
「・・・・・」
「今は彼女いないですけど、ナンパとかそういうことはしたことないですし」
「・・・・・」
「そういうなんていうんですか、一時的な快楽のみで異性と不純な関係を築くのはよくないと思う人なんですよね、ぼく」
「・・・・・」
「別にあなた、ぼくのタイプでもないですし」
「・・・・・」
「ぼく美人な人、ダメなんですよね」
「・・・・・」
「ちょっとどこ行くんですか?」
「・・・・・」
「バスあと2、3分で来ますよ」
「・・・・・」
「なんか勘違いしてるかもしれないけど、あなたになにも興味ないですからね!」