電車で老人に席をゆずったら怒られた件

「あ、どうぞ・・・」
「・・・・・?」
「あっ、席・・・僕、次の駅なんでどうぞ」
「・・・・・?」
「・・・・・・」
「だから?」
「・・・・」
「席譲られるほど年老いてませんから」
「いや、年老いてますよ?どう見ても」
「失礼なひとだな・・・」
「・・・・・」
「周りの目を気にして、自分がどれだけ優しいかをアピールしたかったんでしょ?」
「ちがいますよ」
「ぜったいそのはず。ほら、さっきから正面に座ってる女の子チラチラ見て意識して」
「見てませんよ」
「いいや、見てます。結局君はてい良く私をうまいこと使ってるんだな。自分本位でやさしさをふりまいて、少しでも自分のままならなさを補おうとしてるわけだ」
「もういいですよ、それなら座らなくて」
「ほら、自分の意のままにならなかったら怒って・・・自己中心的な人間は世の中にあふれかえっているけど、君のような親切を装って、自分を騙して生きている人間が一番たちが悪い」
「他のお客さんに迷惑ですよ。ほら、みんな大声でおじいさんが話してるんで見てますよ」
「こんな老体を鞭打って立っている老人に席を譲らない冷たいサラリーマンということになっているだろうね?」
「そんなことありませんよみなさん!この老人に席を譲ったんですが、どうも自分を老人と認めたくないようでして、さっきからずっとつっかかってこられてます~」
「ううううっ!胸が・・・」
「大丈夫だろ?じじい!」
「ううっ、し、死ぬ・・・」
「・・・・大丈夫ですか?」
「なんつってな!」
「死ね!じじい!!」