セックスしていないのに妊娠したことを告げられた件
「ひさしぶりだよね、こうやって会うの」
「うん、ごめんね佐野くん、急に呼び出して」
「いいよ謝んなくって、こないだの倉橋さんの誕生会以来かな、会うのは」
「そうだね・・・」
「で、どうしたの?はなしって」
「うん・・・ちょっと待ってね・・・」
「あ、ごめん、急かすつもりはないけど」
「・・・わたし、妊娠したんだ」
「え!?・・・そうなの!」
「うん・・・」
「びっくりした・・・いや、おめでとう」
「・・・・・」
「話っていうからなにかと思ったら・・・それは想像してなかったかも」
「・・・・・」
「どれぐらいなの?」
「妊娠三か月・・・」
「そうなんだ・・・いや、おめでとう」
「ありがとう」
「っていうか、相手いたのかも知らなかったし、いたんだ・・・」
「佐野くんの子どもだよ?」
「は!?」
「その感じでいくつもり?・・・しらじらしい」
「え、なに言ってるの?どっきりのつもり?」
「こんなどっきりないよ・・・別にわたし佐野くんに責任とれとかそういう話しに来たわけじゃなくって、ただ伝えたかっただけだよ」
「いや、ちがうちがう・・・俺たちってそういう関係になってないじゃない?」
「そういう関係?・・・え、こわい」
「こわいのはこっちだし。セックスしてないじゃない俺たち。つき合ってないし。友だちでしょ?」
「わたし、男女の友情って成立しないと思う」
「いや、今そういう話してるんじゃないよ」
「わたし、シングルマザーとしてやっていく覚悟はできてるのね」
「その覚悟は素晴らしいけど、俺と関係ないと思うよ。聞くけど、俺とのなにが妊娠につながったの?」
「言わせないでよ、そんなこと、変態」
「こわっ・・・俺、帰ろ」
「じゃあね、佐野くん!わたしこの子一生大切にするから!!」
「うん、がんばってね!じゃあ!」