新郎主賓挨拶
「ただいまご紹介いただきました、新郎浜川くんの勤務先であります大洋旭工務店工事部部長の渡辺敦彦と申します。浜川くん、恵美さん、本日はまことにおめでとうございます。ご両親ご親族の皆さま、心よりお祝い申し上げます。このような席にお呼びいただいて本当にうれしく思っております。諸先輩方を前にまことに僭越ではございますが、ご指名でございますのでひと言お祝いを述べさせていただけたらと思います。どうぞ、ご着席ください。私たちの会社は木造から鉄骨造の建物の請負までします総合建設業となります。そこで浜川くんには鉄筋コンクリート造の現場の施工管理をやってもらっております。今から8年ほどに入社し、入社当初から私とともに施工管理をしていました。以前の職場は営業職と全く違うこともあり最初は不慣れな点もあり苦労もしたかと思います。最初はあまりしゃべらなかった浜川くんですが、徐々に現場の同僚とも打ちとけ、仕事終わりの飲み会にも積極的に参加していました。私からすると、現場での技術的な稚拙さをごまかすように同僚の太鼓持ちにだけ熱心で、愛想笑いでごまかす浜川くんの勤務態度には目に余るものがありました。そのことに関して再三注意をしたものの、同僚とともに私の陰口を言うまでになりました。私も30数年勤務しておりますが浜川くんほど、仕事に対していい加減な男もおりません。自分の落ち度は人のせいにして、口を開けば他人の悪口。自分の悪い部分には一切目を向けず、進歩しようという気力を感じることはありません。恵美さん、こんな男と結婚して幸せになれるでしょうか?私はなれないと思います。ご両親ご親族には申し訳ありませんが、浜川くんは結婚の前にもう一度自分を見つめ直してほしいと思います。今からでも遅くありません。日々の積み重ねです。今現在、会社の人間全員の信頼は全くありません。この結婚を機に何か変わってくれることを信じています。本日はおめでとうございます」