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言葉や文化の違う国での活動で大切な事。それは「何を伝えたか?」ではなく「何が伝わったか?」~第1週目~

インドネシア バンタエン職業訓練校での1ヶ月間を振返りたいと思います。実施したことや、感じた事、反省点、改善点など、リアルに触れて体験したことを残していきます。

第1週目 2020年1月13日~2020年1月17日

1日目
開校式
参加者インストラクター オリエンテーション
BLKインストラクターMTG
日本側インストクターへの学校紹介
2日目
抜き打ちテスト
PDCA課題 プレゼンテーション
1ヵ月間カリキュラム詳細打合せMTG
3日目
日本語授業
安全作業について
1ヵ月間カリキュラム詳細打合せMTG
抜き打ちテスト回答
4日目
学科実施 ABS・(ブレーキ制御系)・ESA(点火装置)
評価項目のインドネシア語翻訳
1ヵ月間PDCA内容打合せMTG
5日目
金曜エクササイズ
実習実施 ABS・ESA  (4グループに別れてローテーション)
各週レポート課題の提出
PDCA内容打合せMTG 6グループに分けてリーダー決め

1週間の目標

・参加インストラクターへの1ヵ月研修の動機付け
・課題PDCAの共有
・インストクター評価項目の決定
・自動車授業がスムーズにいくように段取り

実習生に思う事

一週間の授業を実施して、驚く事がありました。前回第一回派遣で不真面目(ガムを噛んでいたり、さぼっていたり)だと評価していたインストクターが、全員積極的にまじめに授業を受けていました。
なにが要因でそのような変化があったのかを考えると、3点の要因が考えられました。

①実際にPDCAの授業を受けて、自分自身の職業学校でPDCAを実際行うことにより、自分自身の改善につながった。

②参加インストラクターのレベルに授業内容を合わすことができた。前回の授業内容が、ハイブリッド・スマートキー・トラブルシュートが中心で、バイク科から来たインストラクターが内容についていけなかった。今回は基本的な事から中級レベルの内容を中心にカリキュラムを組み立てた。

③全員48名の中の評価が低い(ソフトスキル・ハードスキル)インストクターを中心に、今回の集合研修を行った。
ソフトスキル・ハードスキルが高いインストラクターが、全体を引っ張っていく為、ついていけないインストクターは途中で諦めてしまう。

大きく分けて以上の3点が考えられます。特に②に関しての影響が大きいと考えます。自動車の基本がない状態で、参加者にとってハイレベルな授業を組んでしまうと、途中でついていけなくなりますし、自身の職業訓練校に戻ったとしてもアウトプットすることがほぼ不可能なので、授業に対するモチベーションも低くなってしまいます。それを防ぐ為には、それぞれの現状のレベルを知る事が必要になってきます。

そこで効果を発揮したのが、第一回派遣で実施した「実力確認テスト」トヨタ検定2級レベルです。今思うと、第一回派遣の内容は第二回派遣以降を効率的且つ効果的にカリキュラムを組み立て、実施を行っていく為の重要な過程だったのだと今になって思います。第一回派遣組の池田さん・伊藤さんにはとても感謝です。3人チームワークで行ってきたことが今になって非常に効果が出てきていると思います。

気づき・反省

自動車専門授業中の、自分自身と参加者インストラクターに対しての距離間について。授業を効果的に実施していく為には、授業内容は重要なのですが、それ以上に大事なことがあると思います。それは、日本側と参加インストラクターの絆作りです。前回派遣で私自身は参加インストラクターと絆ができていますが、初対面の場合は絆作りから行っていく必要があると思います。

日本側インストラクターの強みとして、絶対的な整備スキルと、今まで培ってきた経験があります。人間性とその強みを発揮して絆作りを行っていく必要があります。その関係が出来る前に私自身が出すぎてしまうと、現地の言葉が喋れる分、私の方に質問が集中し回答してしまいます。そうなると、日本側インストラクターと参加インストラクターとの絆作りに時間がかかってしまいます。なので、私自身は全体の動きを見ながら行動する事を一番に考えて行くことにしました。不足している所を補ったり、スムーズにいく為のアドバイスをしたりを行っていきます。全体をマネージメントしながら、自分自身もリソースの一人だとして実行していきます。


バンタエンのインストラクター3名(デデさん・アンディラさん・サプリさん)は、フェーズ2で再度関わってきているのですが、責任感・熱意・人間性どれをとっても非常にレベルが高くなっています。日本側・バンタエン側のお互いのインストラクターは良いコミュニケーションがとれています。一度小さなコミュニケーションミスはありましたが、その都度原因と対策を考え、次に繋がる話し合いを実施する事が出来ています。お互い切磋琢磨して磨き合っている事が素晴らしく思います。

言葉が違う国で活動をする時には必ず考えないといけない事があります。それは「何を言ったか」ではなく「何が伝わったか」です。それを考える事によりコミュニケーションミスは防ぐ事ができます。そこで重要なのは紙に書き、お互いのイメージを一致させる事です。日々色々な問題が発生しますが、問題を放置せずにその都度その瞬間に改善していく意思を持って活動していきます。

今後に活かせる事

バンタエン職業訓練校の生徒32名の活動が、参加インストラクターに対してもの凄くいい刺激になっています。

実際に「見て」「聞く」だけではなく、現地・現物でその場所に行き「体験」する事によって。始めて動機づけされる事は多くあります。学生32名の朝礼では、私達が作成した「整備士基本7項目」をきびきびと唱和し、担当を決めて毎日の安全宣言や、コミットメントをします。日々の活動でも自らが気づき、それぞれが行うべき行動を自らが実施しているように見えました。その姿を見て、参加インストラクターは大きな刺激を受けているようでした。

全体の参加インストラクター48名は自ら手を挙げて、今回の研修に参加しました。そのほんの少しの勇気が現地現物で体験する事ができ、そしてその体験を通じて自分自身の中でそれぞれに気づく事ができたのではないかと思います。

私を含めた日本側インストラクターもそうです。日本語が通じない、文化も宗教も違う場所での活動はもちろん勇気が要る事です。それぞれの生活環境がありながらも、自ら手を挙げた結果が、現地活動を通じて大きな気づきに繋がっています。そして、この体験で得た気づきは必ず日本でも様々な場面で活かす事ができるのだと信じています。

第二回派遣の現地活動はスタートして一週間が終わったばかりです。残り三週間の中でも目標を高く持って、活動を通じて大きな気づきを得て実行をしていきます。2周目からはエンジン脱着などの重整備を実施します。事故や危険作業が内容に身を引き締めて授業に取り組んでいきます。

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