オススメ大学英語教科書(1)Let's Find a Solution!(南雲堂、2023年)

スマホ依存、学食の混雑、感染症、ユニバーサルデザイン、生活のストレス、ブラックバイト、高齢者ドライバー、プラスチックごみ、観光公害、eスポーツ、睡眠、人工知能。この教科書の長所の1つは、このテーマのチョイスにある。どれをとっても学生にとって身近な問題で、かつ、それほど難しすぎず、解決策を考えやすいものになっている。ユニバーサルデザインなどは導入的な学びにもなり、身の回りの社会に目を移せば、様々な気づきと発見で思考と知識を深められる。

そしてこの教科書の長所の2つ目として、英語学習としての有効性・効率性においても秀でているようにみえる。リスニングやリーディングで使われている語彙は易しめで、余計なストレスなく取り組みやすいものとなっている。リスニングやリーディングの分量もそれなりで、満足感もある。ディスカッション(スピーキング、ライティング)の設問内容も自然で、問題点の認識から解決策の提示までをスムーズにおこなえる。発信型の演習は、一言二言でもよいし、パラグラフ単位の多めのものにしてもよい。

長所の3つ目は、地味ながら大事なこととして、12回の授業で完結させられることである。15の単元のうち、3つは復習回になっていて、実質的には12単元しかない。スケジュールの問題として1学期間にこなし終えられる構成になっているのは気持ちがよい。

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