見出し画像

【台湾の面白い建物】特有種商行

忠孝新生のMRT駅の近くで3年間仕事をしていた際、ランチタイム時に付近でどんなレストランがあるか、あちこち歩いて探していました。そうしたところ、忠孝新生の交差点から南西のエリアに、住宅の一階をリノベーションしたカフェを見つけたので入ってみました。これが、とても面白いカフェでした。

魏德聖監督監修のカフェ

著名な台湾の映画監督に"魏德聖"がいます。「海角七號」、「セデック・パレ」など、野心的で興行的にも成功した映画を製作している監督です。何と、ここはこの魏德聖が監修者として加わっているカフェなのです。
ここには、この監督の映画の脚本や現場の写真が置いてあり、それだけでなく内装全体がまるで映画セットの様な雰囲気でまとめられているのです。これは、恐らく映画の大道具のセットを製作する部隊が、カフェのインテリアデザインを行ったのだと思います。ですので、デザインテイストは、日本統治時代の台湾。そういった雰囲気を醸し出しています。

台湾にはたくさんのリノベカフェがありますが、ここまでコンセプチュアルにそれをやっているお店はなかなかありません。

特有種商行

この特有種という言葉は、初め見た時は全く意味が分かりませんでした。このカフェの英語名は"Real Guts Cafe"、本当にガッツのあるカフェ。直訳しても意味はピンときません。

家内に聞いたところ、この"特有種"は特別な種であるという文字通りの意味もあるそうです。それに、掛け言葉として"有種"という言葉に"骨のある"とか"肝っ玉の座っている"という、もう一つの意味がかかっている。そのような言葉遊びをしているのではないかと言っていました。誠に訳しづらい店の名前です。

商住混在の街

この様なカフェ、住宅地の一階を商業施設にしているという事例は、台湾にたくさんあります。最近有名になっている"富錦街"も、元々低層住宅地である通りを、一階を商業用途に変更しています。
この忠孝新生のエリアも、台湾では高級住宅街に当たりますが、一階は商業店舗としています。その様な都市計画が可能なところが、とても台湾らしいと思います。

写真

住宅街の一角に、植栽による入口が見えます。
左の機械はなんでしょう。ハイヤーと選択できるので、
昔のバスなのかなと思っています。
カフェのインテリア。
ことさらにレトロな雰囲気になっています。
本棚には、映画の脚本やら、撮影現場の写真やらが
無造作に置いてあります。
カフェとしても立派な物で、
食事メニューもたくさんあります。
欄間の処理や様々な小物が、どうも本物のアンティーク
ではない様なんです。作られている様子。それでこれは映画のセットと同じノリなのだろうと思っています。
これは、通りから見た様子です。外から見ても特別な
空間であることが分かります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?