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【台湾の面白い建物】臺北表演藝術中心(その三)
今回は、普段は入れないけれどもバックヤードツアーと建物紹介ツアーで見学できた部分を紹介します。
このパフォーマンスセンターには、一般観客用動線、演者とバックオフィスのためのサービス動線のほかに、このバックスペースを一般市民に見せるための専用の動線が準備されています。その様な試みがあるのは、例えばカヴァランのウイスキー工場で、工場を見学する動線が、実際の作業の動線とは別に準備されているとか、衛武營の歌劇場ではホワイエから奈落スペースを見下ろすことができるとかいう例を知ってはいましたが、これほど本格的にそのコンセプトを実施している建物は見たことがありません。
この動線の入り口は建物正面中央にあります。ここに真っ赤な光壁で設えてある開口部があります。これが、台北表演藝術中心のバックヤードツアーの入り口です。ここから、エスカレーターと階段を使って最上階の7階まで登ります。
最上階には、大きなリハーサルルームが3室、それから屋外になっているルーフテラスが設えてあります。このフロアには、この建物の大小の模型や、球体劇場の断面模型なども置いてあり、建築設計者としては、これらの模型を見るだけでも興趣がつきませんでした。
最上階からは順に劇場を降りてきます。
初めは球体劇場。この球体は、外郭が二重の球体になっていて、その隙間の空間を歩く様にできています。その隙間の内側にボックス席が設えてあります。ボックス席に入れはしませんでしたが、そこからホールを覗き見ることまではできました。
この階からいったん2階のホワイエまで歩いて降ります。途中、例の波打つガラスを間近に見ることができます。このガラスと球体の取り合いには苦心の跡が見えましたね。恐らく、球体のパネルは止水を行った後に、クラッディングとして取り付けているのでしょう。
さらに階段を降りて、一旦2階のホワイエに出てから、改めて大劇場に移ります。こちらは最後部に出て、外部開口の様子を見ることができるだけでした。空間の見せ場は階段とエスカレーターの集中している側面でした。普通の劇場建築では、どちらかというと暗くて狭い廊下になる、高層階の出入口が、巨大な吹き抜けの立体的な空間に置き換えられていました。
HPによると、このバックヤードツアーは火曜日と水曜に時間を決めて毎週行われているようです。詳細は下記HPを参照ください。
また、それとは別にこの建物の共用部や、建築計画、建築素材、サイン計画などを説明するツアーも組まれています。僕はたまたま水曜日にお休みをとった際にここに来ていて、運よくこの2つのツアーに参加することができました。
興味のある方は、このバックヤードツアーのスケジュールを確認して来られることをお勧めします。日本では見られない、とてもオリジナリティーに溢れた野心的な建物の全貌を見学することができます。
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ヴォリュームの捉え方がよく分かります
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これだと素材の具体的な様子が分かります。
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壁にも床にも二次部材が見えないのは、
とても難易度の高い収まりです。
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