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HAPPY捕獲!(後編)〜Come back HAPPY㉜

今回は、もうLINEの履歴に残っている部分ではないので、

過去の記録に加筆修正しての掲載になります。



HAPPYが仕掛けに入り、まずはそのまま、無事に車庫の中に仕掛けごと引きずり込んで

大林さんとわーこさんとカズさんが車庫の中に残ってシャッターを閉め、

すっかり皆が胸をなでおろした、というところまででしたね。


これで1ヶ月と数日の捕獲作戦が無事に実を結んだ、

思えばここまで長かった、

と、皆の気持ちが今度は違う意味で緊張感に包まれると同時に、

気が緩んだことは間違いなかったのでしょう。


シャッターの中に仕掛けを引き込んだので、

次にすることは、最後の仕上げ、HAPPYを仕掛けから移動用捕獲器に追い込むことです。




飼い主夫妻は、シャッターをおろした部分のわずかな隙間も無くすように下にコンクリートブロックを並べます。

車庫の中からHAPPYを捕獲器に追い込むための棒を要求されたので、

外にいる私が、わーこさんの車に走って取りに行き、これもシャッターのわずかな隙間を慎重に開けて中に入れます。

私は、あとはもう外側からすることはないし、ベテランさんたちが車庫にいるので、

これでもう役目が済んだ、あちこちに置いたカメラや、坂の仕掛け、置きエサ等を片づけに入りました。

片付けも一段落しそうなとき、何かシャッターの中から騒がしい声や音が道路向かい側の坂まで聞こえてきます。
急いで戻って妻に聞けば、仕掛けから捕獲器に移す際に、隙間ができて、

そこを見逃さなかったHAPPYが車庫の中で脱走したようです


これは、あとから聞いた話ですが、仕掛けと捕獲器を、はじめのうちはぴったり慎重に入口を重ねていたようなのですが、

そこは仕掛けの中でさらに緊張感を募らせ、神経質になっているHAPPYなので、

より狭い捕獲器には追われてもなかなか入ろうとしません。

そのうち、入口がずれたのでしょう。

まるでスローモーションのようにHAPPYが、仕掛けの外に出てきて、本人も驚いている様子だったと。

もちろん、周りの人の驚きはそれ以上だったでしょうが(笑)

そして、今度は、車庫の中を逃げ回っているというではないですか。

大林さんが、自分の捕獲用網とグッズの入ったリュックを自分の車から取ってこようと

内側からシャッターを開けて出ようとするのをカズさんが止めようとする声が聞こえます。
だって、大柄な大林さんの体が通れるだけのスペースを開ければ、

そこからHAPPYが車庫の外に逃げ出すのはたやすいですから。

そこで、必要な物を再び私が大林さんの車に取りに行き、わずかにシャッターを開けて中に引きずり込んでもらいます。

車庫の周りに、車庫の中から出られそうな隙間がないか入念にチェックするがそこは大丈夫。

HAPPYは、シャッターを車庫に巻き込む天井のスペースに身を隠し、

そこから見える外に逃げ出そうと考えてるらしいですが、

HAPPYの体の大きさではこれはかないません。





どれくらい時間がたったことでしょう。

最初に書いたとおり、この様子はLINEには残っていないので確かめようがないのですが、

外側から待つしかない身には、ひどく長い時間に思われました。


それでも、車庫の中での3人の必死な作業の末、

ついにHAPPYが無事に捕獲器に捕らえられ、

シャッターが開かれました。




仕掛けの中では、本当に死にものぐるいで暴れたのでしょう。
後から確認した直前の映像では、どこもケガのなかったHAPPYの顔は擦り傷だらけになっていました。

また、仕掛けを置いたコンクリートの上にはたくさんの血がついていいました。

後からわかったのですが、この時HAPPYは、爪を2本剥がしていたのです。

それでも、あれだけ近くにいた複数のキツネやテン?イタチ?、

他の野良猫に命を狙われずに済んだのが奇跡に思えます。

また、何度も道路を渡っていながら、時には車が来ているにも関わらず飛び出していくこともあったのに、

車とも接触事故を起こさずに済んだのが嘘のようです。

ケガは治りますが命は取り戻せないのですから。

HAPPYを家に入れ、やっとみんなで記念写真。




その後、わーこさんとカズさんが、ぱっつんを保護するために使っていたケージを、

「よーぐると工房Baw」さんまで取りに行き、家の中に設置。

バケたんが同じく青く光ったというBawのユカさんは、

「この日になにかある!」

と信じて、夜遅くまでお店の方にいてくださたそうです。

HAPPYをケージに入れたところでこの捕獲作戦は本当に終了となりました。


私達飼い主夫妻は、その後、わーこさんやカズさん夫妻から、

今回の原因となった飼い主の落ち度について、しっかりお説教を受け、

脱走対策を約束させていただいたのでした。


普通だったら、他の猫の件でも仕事がいっぱいあるのに

こんなに日数をかけて毎晩捕獲しに来るなんてできることではない、ということもよくわかります。

実際に、わーこさんたちは、この間にも何度、山越えをして動物病院に通っていたでしょう。

また、「ソラネコせたな」の譲渡会も開催していました。

その準備がどれだけ大変なことかというのも聞いていました。

シェルターの猫たちの毎日のお世話もあります。病気の猫の治療もあります。

この代表夫妻がこちらに来ていただけていたことで、

ボランティアの皆さんにもどれだけご迷惑をおかけしたことでしょう。

それでも、これだけ警戒心が強く、繊細な神経を持ったHAPPYを捕まえることができことで、

わーこさんご夫妻は、「かなり勉強になった」と言ってくださいました。

この日にハッピーを捕獲できたのは、これまでの積み重ねと、

「元アニマルサーチ絆」の大林さんを含んだこの日のメンバー。

このどれか一つでも欠けていたら、かなわなかっただろうと、本当にそう思います。

まさに、この日に捕まるために今までがあったのです。


ん?この日?

これで、Come back HAPPYの話は終了?

いえいえ、ここまでは単なる事実の記録

語りたいことは、実はこの後日談にあるのです

皆様、次は新連載としてまだまだお付き合いくださいね。

今度は短いですよ^^;



Welcome back HAPPY へと続く


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