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早く知りたかった不眠症との付き合い方

みなさん、よく眠れていますか?
私は2-3年前から不眠症に悩まされており、医療機関を受診したり、本を読み漁ったりしています。現在はわりと睡眠薬なしでも眠れる日も多くなってきたので、不眠症当事者としてのリアルな体験をまとめました。
この記事では不眠症の恐ろしさと不眠症になってしまった人がどう付き合っていけばいいのか、わかりやすく解説します。

不眠症とは

日本においては約5人に1人が不眠症状に悩まされていると言われています(平成14年の統計調査では睡眠障害で236000人という数字があるが、実際には多い患者数が推定されている)。
不眠といっても症状は一つではなく、大きく4つに分類されます。

  • 入眠困難:ベッドに入っても30分以上寝付けない

  • 中途覚醒:眠りについても何度も目が覚める

  • 早朝覚醒:起きる時刻の2時間以上前に目が覚めて眠れない

  • 熟眠障害:眠りが浅く、睡眠時間の割に熟睡した感じが得られない

私は、主に入眠困難と早朝覚醒、熟眠障害の症状があります。
睡眠に問題があると、一つだけではなく、いくつも併発している場合がほとんどではないでしょうか。

不眠症の恐ろしさ

不眠症の恐ろしさは、「人生のための睡眠」が「睡眠のための人生」に変わってしまうことです。
どういうことかというと、不眠症になる前は明日は朝起きて、どこかに出かけようと予定を立てられていたと思うのですが、不眠症になるとよく眠れないことが増えて、楽しい予定を立てようとしなくなります。
また、仕事も最低限のタスクだけこなすようになり、パファーマンスが著しく低下します。
眠れない日が続くと、眠りたい、眠らなければと強く願うようになりベッドに入ったときに緊張状態を作り出してしまい、悪循環に陥ってしまいます。
悪循環の中からなんとか抜け出そうと、日中は眠りにいいとされるTips(規則正しい食事、運動、ストレスの少ない生活)を可能な限りこなそうとします。
そうやってよく眠れるための行動をたくさんとればとるほど、眠れなかった場合の心理的ショックは大きく、ベッドに入ると自然と緊張するようになってしまいます。
このようにして、不眠症は悪化していき、生きていることそのものに嫌気が指してうつ病も併発する場合があります。
自分も1週間くらいほとんど眠れない日が続いたときに、「死んだら楽になれるのかな」と心の底から思ったことがあります。

不眠症になったらどうすればよいのか?

翌日大事な仕事があり、プレッシャーがかかると誰しもよく眠れないものです。その状態が一時的であれば不眠症ではないと思いますが、プレッシャーがない日も眠れない日がある場合は、不眠症の可能性が高いです。自分が不眠症かもしれないと思ったら、以下のことに取り組みましょう。

  1. 眠れない原因について考えてみる(日記、ボイスメモ、パートナーがいれば話しを聞いてもらう)

  2. 病院にいって診察をうけて、薬を処方してもらう

  3. 根治を目指さず、がんばりすぎないようにする

眠れない原因について考えてみる(日記、ボイスメモ、パートナーがいれば話しを聞いてもらう)

不眠症になってしまった原因として、仕事上の人間関係のトラブルや将来に対する漠然とした不安など思いつく限り書き出してみましょう。紙でなくてPC入力でもOKです。頭の中にある不安を紙に書くことで、頭の中がクリアになり、寝付きが良くなる効果が見込めます。寝付きが悪いなと布団に入ってから30分以上も寝付けない場合は、思い切って寝るのを諦めて、日記やPCで思いつく限り感情を吐き出してみましょう。書き出した原因について、解決策が思い付けばなおよしです。
日中であれば誰かに話しを聞いてもらうというのも、おすすめです。人に説明するためには言語化する必要があり、人に話をすることで相手から思いもよらないフィードバックが得られることもあるでしょう。
深夜に誰も話す相手がいない場合は、スマホの録音機能を使うのもおすすめです。話すという行為は自分の考えを整理する訓練にもなりますし、録音を聞くことで自分の悩みを客観的に振り返ることにもなります。

病院にいって診察をうけて、薬を処方してもらう

私は不眠症になりかけていた頃は、1.の書き出しで眠れる日も多くありましたが、書き出しだけでは眠れない日が増えてきました。
そういう状態になってしまった場合は、早めに医療機関を受信して、薬を処方してもらったほうがよいと思います。
眠れない状態というのは思ったよりも体に負荷をかけます。また、免疫力も低下して風邪に引きやすくなります。
睡眠薬を飲んで眠れる習慣を取り戻すことを優先して、眠れるようになったら徐々に薬の量を減らせれば理想的だと思います。
もちろん睡眠薬にも注意が必要です。睡眠薬は飲み始めが最も効果を感じやすく、毎日服用していると同じ量を飲んでも効果がだんだんと薄れてきてしまいます。そのため、眠るために必要になる薬の種類や量がどんどんと増えてしまう問題をはらんでいます。
ただ、眠れないよりは薬を飲んできちんと眠れるのであれば、医師の処方の範囲内で薬を飲むのは致し方ないのではないでしょうか。
薬を飲まないと眠れない自分を責めてはいけません。寝たくても眠れない状態は誰にとっても辛いものです。
まず睡眠習慣を取り戻すために睡眠薬を飲むことも選択肢の一つとして検討いただくとよいと思います。

根治を目指さず、がんばりすぎないようにする

医療機関を受診すると、まず生活習慣を見直すようにアドバイスを受けるでしょう。朝は日光を浴びて、規則正しく食事をとり、日中はできるだけ精力的に活動し、昼寝は20分までに抑え、ストレスは溜め込まないように注意せよなどなど。これらひとつひとつが大切なことは誰でも理解できるでしょう。
ただ、不眠症の辛いところとして、よく眠れるように生活習慣を完全に整えたとしても眠れるわけではないということです。逆に言えば、不規則な生活を送り、お酒をたくさん飲み、睡眠によくない生活を続けていても、ぐっすり眠れる人がいるのも事実です。睡眠というのは無意識化で行われるもので、入眠を意識的にコントロールすることはできません(すぐに眠れる人がいても、スイッチを切るように眠ることはできないですよえね?)。
私が最も伝えたいこともここにあります。無理のない範囲で努力することは大切だと思いますが、がんばりすぎはやめましょう。
眠りは自分でコントロールできないものです。
なので、いくら寝ようと思っても寝られないこともあります。
頭は眠気でいっぱいで横になっても、全然入眠できずに苦しい思いをすることも受け入れるしかない日もあるのです。
だから、肝心なのは「眠ろうとしすぎないこと」「眠れなくてもいいやと開き直ること」「眠れなかったら明日仕事休もう」というゆとりのある心持ちで布団に入ることだと断言できます。
今、不眠症に悩む人にこのメッセージが届けば幸せです。
不眠に悩んでいる方がいれば、ぜひお話しましょう。






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