「スマホの功罪」について

この「曖昧な記憶」。
どんどん、自分が回復しているのが分かって楽しいです。
ちょっとネットの話ではもにゅりましたが、読む人を意識し始めているのは目覚ましい進歩ですね。
今は少し落ち込んでる時期なので、「おお、頑張れ俺!」って2ヶ月前の自分にエールを送っています。

長~い前置き。

つらつらと、どうにかこうにか書き続けている。
推敲も、少しずつではあるが出来るようになってきた(あげてからだが)。
あまりにも長文過ぎて、自分が納得できる推敲は行なえていないのが現状ではあるが。
それでも。誤変換や明らかに繋がらない部分は減ってきてると思う、多分。
リハビリの効果が出てきたかな?
だが、読む人がいない事を前提に徒然なるままに書いているため、いくつか問題点がある。
自分への課題として、列記しておく。

その一。
一番、大きな問題。
人に読ませるには冗長過ぎて脱線も多く、同じことを何度も書いてしまう。
そもそも。
このエントリーは、「伝えたいこと」を決めてから書いていないのだ。
流石に「これは、ひど過ぎる」と思ったエントリーは、二つに分けた。
実は。
この「『スマホ』について」も、PC通信の進化の流れで同じエントリーに詰め込むつもりだった。
でも、現在の私には適わなかった。
※脱線については、キータイピングのリハビリなので、ご容赦いただきたい
喋るのと同じ感覚で打てるようになってから改善していくとしよう。
こうしている間に、「前置きだけでも長くなってきているぞ」と思っていることを付記しておく

その二。
間違えている情報が含まれている可能性がある。
昔から「(自分が)面白くってダメになる」アウトプットしか、私はしてこなかった。
他人の知識欲を満たす内容は、それなりの覚悟が必要だからね。
他人をミスリーディングして、誤った情報を発信するのは本意ではない。
今はリハビリとは言え、多少なり意味があり情報となるアウトプットをしている。
基本的に、Wikipediaで調べた情報を書いてもリハビリにならないジレンマ。
ゆえに、円周率や光速について述べたこともあるが、間違えている可能性がある。
また。
故意ではなくても私が書く情報は「私にとっての最新情報」であるため、今現在では誤情報であることも十分にありうる。
例を言えば、私は「鎌倉幕府は一一九二年にできた」と書いてしまうのだ。
定義が代わったことは知っているが、正しい情報は覚えていないのでので書けない。
無学で申し訳ない、と思う次第。

その三。
難しい単語が散見する(見受けられる)。
これは、脳トレの意味で敢(あ)えて使用している。
意識高い系の方々が「イノベーションが」とか「コンプライアンスが」と言いたがるのとは逆。
政治家が「公約」を「マニフェスト」という言葉に替えて、柔らかいニュアンスに意味付けをしてるのとも違う。
「マニフェスト」という単語が母国語でない私は、以下のニュアンスで認識している。
「消費税をゼロに出来るように頑張る! 代替する財源とか考えてないけど。今の与党は酷いよね? だから、私たちは弱い政党として、『弱者のために』与党と戦う。実現するかは分からないし、良くなるかも分からないけどね☆ 実現できないでも怒らないでねテヘペロ♪」
正式な和訳は知らないけれど、現代日本における選挙用語のマニフェストを既存の日本語で意訳すると「希望的観測」だと私は思う。
政治家諸君におかれては、ノブレス・オブリージュ(貴族が負う責任)精神で臨むなら「地獄の約定」くらい言ってみせれば信用度が上がると思う。
そして、死ぬ気で取り組むと良いと思います。

じゃあ。
どういう意味で「脳トレ」かと言えば、自分が言葉を忘れないための反復訓練だ。
若者向けの小説を読んでいると、日本語の誤用や語彙(ボキャブラリー)の貧弱さを感じる。
もちろん、読み手の語学レベルに合わせて書かないと読んでもらえないのが理由であることは明白だが、日本語の誤用は書き手のミスだろう。
編集者しっかりしろ。

この記事を校閲している現在は、認識が変わっています。
言葉も日々、変化していきます。
「ら抜き言葉」とかも、文部科学省で正式に認められた。
英語でも「Google」は動詞化されているし、「Kawaii」とか「Otaku」とか「Hentai」なども、認知されてきている。(まあ「Hentai」は、かなり曲解されているが)
だから、今は「新しい言葉」を受け入れられない自分を恥じています。

かく言う私も。
昔は現国には自信があったのだが、現在はサッパリ疎くなっている。
使わない単語は、錆びついた抽斗(ひきだし)のように出てこなくなってきている。
日本語大好き人間の私としては、由々しき事態だ。
だから四字熟語や慣用句などを積極的に使うことで、脳内にある語彙の抽斗に油を差している。
「読めないから読まない」人に向かない文章になっているが、諦めていただきたい。
最後まで読むと、この前書き(こと、「その二」と「その三」)に意味を持たせて書いているつもりなので、知らない言葉はコピペでググりながら読むことをオススメする。
前置き、以上。

以下、やっと本文。

携帯電話の歴史。
バッテリー大き過ぎ(車のバッテリー大、ショルダーバッグに入れて使用されていた)、高い。「車載電話」を持ち歩けるようにしただけ。
バッテリーの大幅小型化により、一般に普及し価格も低価格化。
デジタル通信ゆえのネットとの親和性により、メール機能搭載。
デジカメ機能を搭載(動画撮影機能が付いたのは、通信インフラの整備後だと記憶する)。
通信インフラが整備され高速化して、インターネット対応機種登場
※専用ブラウザ・専用ページだったため汎用性は低く、携帯の通信機能をノートPCのスロットに入れる方が主流だった

新時代の到来――。
さらなる技術革新により、PC並みのネットブラウジング機能を持つ直感的なアプローチで操作できる携帯電話がAPPLE社から発売。
スマートフォン(以下、スマホ)の誕生である。
自由競争経済の原則に則り、汎用OS「android」が開発され、世界中の各社でスマホが発売される。
爆発的に普及、むしろガラパゴス携帯(以下、ガラケー)が少数派になる。
平清盛が「スマホを持たずんば、現代人に非ず」と言ったとか、言わなかったとか。いや、絶対に言ってない。
来年か再来年、安価なガラケー的契約は出来なくなる。
通話料定額で、通信容量による価格設定になっていく。

さて。
私は、電車内で向かいの席に座っている老若男女7人中、6人がスマホを弄っていたのを目撃した。
ニュースサイトを見ているのか。
ソーシャルゲームアプリ(以下、ソシャゲ)で遊んでいるのか。
誰かにメールを送っているのか。
動画を、イヤホン付けて視聴しているのか。
SNSを楽しんでいるのか。
漫画アプリとかで、漫画を読んでいるのか。
なにせWEBブラウザがPCと同じ訳だから、可能性を語ることは無理だ。
ガラケー持ちであるロートル野郎の私には、推し量ることすらできないブラックボックス。
なんか、言いようのない不気味感を覚えた。
「電車内が、『ネットカフェ』になっただけ」と考えると、少しだけ落ち着いた。

スマホを定義するなら、「ネット通信&カメラ機能付き小型タブレットPC」だろう。
「多機能携帯電話」という域を、遥かに凌駕している。
現時点でのiPhoneフラッグシップモデルは、そこらのデスクトップPC+コンデジ一眼より高価だ。
カメラの機能も、PCの機能も秀でている。
「電話ってレベルじゃねーぞ!」なのである。
このレベルになってくると、二義的に「人間の外付けHDD(世界の、あらゆる知識がプレインストール済。しかも知識は自動アップデート)」である。

もはや。
時代は、知識ある者に利することは何一つないのだ。。
スマホを持たない一流数学者とスマホを持ってる文系大学生が、「フェルマーの最終定理」について語り合える。
一流天文学者とスマホ持ちの天文学部高校生が、「ケプラーの法則」三つの中で、どれが一番感銘を受けたか語り合える。

地図や時刻表で調べなくても、住所や施設名を知っていれば乗り継ぎも考えずに家を出発して辿り着ける。
入院中に投与された薬物が、どんな効能を持っているか分かる。
芸能人に興味が無い人でも「AKBで誰が一番かわいいと思う?」と聞かれて、答えられる。
弁護士じゃなくても、「強姦罪」が刑法何条なのか三秒で答えられる。
※177条。昔にあったR18ゲームのタイトルで覚えてた
かつて、「携帯依存症」が懸念されていた時期もあったが、スマホへの依存度は指数関数的に上がってきていると思う。

ゲームだって、アーケード人口<コンシューマ人口<<(越えられない壁)<<<<スマホのソシャゲ人口だろう。
独和辞典を引かなくても、ドイツ語を自動翻訳。
スマホと言う名の「人間用外付HDD」は、人間と切り離せない存在になりつつある。
誰かが、世界中のスマホがテクノロジーやインフラごと消える魔法「ヴァルス!」って唱えたら、世界中が未曽有の大混乱に陥るだろう。
所謂「スマホロス(造語)」がひどくて、自殺者が出るレベルだろう。

だが。
アナログ世代からデジタル時代の過渡期を生きてきた私は、若干の危惧も抱いているのだ。
PCが普及し、イラスト入り年賀状が郵便局で売れなくなり始めた頃から、私は漢字が書けなくなってきていた。
※私は年賀状ソフトを使ったことはないけれど、「一般家庭にワードやエクセルが普及し始めた頃」というニュアンスで受け取ってもらえると……
「憂鬱」や「薔薇」、「切磋琢磨」とかJIS第二規準的な漢字ではなく、「ゆうびんきょくの『ゆう』って、どんな漢字だっけ? 確か「垂」が偏だった気がするけど、旁(つくり)は何だっけ?」レベル。
中学生以下。
※話を混ぜ返すが、憂鬱の「鬱」は難書文字で興味を持ってたので、今でも書ける。「林の間に缶を置いて、冠付けて凶の周りに点四つ。下にカタカナの「ヒ」を書いて右側に三本線」って覚えた。書き順は知らないけどね☆

手書きの書類を書く時に、携帯で文字入力画面にして辞書代わりに使うレベルになった。
手書きで「紆余曲折」なんて、簡単な文字なのに書けない。
読むことはできても、書けない。
もうね。
PCに「つくり」って「旁」って書くんだよ、って今日教わったレベルですからね。情けなや、私……。

まあ。
「読めるから、入力の際には困らない」と言い訳してみせるが、違う弊害も起こり始めた。
「ネットで覚えたことは、長期記憶にならない」問題である。
刻苦勉励という台詞がアニメで出てきて、数年前ネットで意味を調べたのだが、今の私は意味を覚えていない。
字面から「苦しみを刻み込むほど、勉(つと)めて励(はげ)む様子」なんじゃね? くらいしか思いつかない。

怖くなって、「ネットで調べる前に、自分で考えてみる」プロジェクトを始動した。
「エレベーターの表示で、地下は「B」屋上は「R」と表示されているが、何の略か?
「R」は「ルーフ」だとすぐに気付けたが、「B」が分からない。
地下って英単語でなんだっけ? アンダーグラウンドかな?
いや、それは純粋に「土地の下」って意味の地下だよなあ。
ちょっと待て。
私が知りたいのは、「地下」ではなく「地階」だ。
アンダーフロアとかに、なるのかな?
どっちにしても、頭文字は「U」だから外れなんだけどね……。
実に三日間――。
仕事の休憩時間でも家でも考えて、答えが出なかった。
次の段階として、人に聞いてみた。
知ってる人は、いなかった。
そこまで悩んで初めて、ネットで「エレベーター B」でググった。
「ベースメントフロア」の略だそうだ。
「土台」的な意味の「Base」の名詞形か……。

ここまでしてやっと、長期記憶として残った。
その「ちゃんと自分で考えてから、最後の手段としてネットを使おうプロジェクト」は、現在も進行している。
※このエントリーでテーブルを引っ繰り返すことになるとは、この時点では思わなかった(後述)。憎むぞ、自分

つまり、簡単に調べられる記憶は残りにくいのである。

閑話休題。
大昔(中学一年くらいのころ)の実話。
外国のファンタジー小説(ハヤカワ文庫だったと記憶する)で「マンティコア」という怪物が出てきた。
しかし、文章で姿かたちを説明されてもイメージが湧かなかった。
ドラゴンくらいは想像が付くけど、キメラとかは分からない。
※私の中では、キメラは大分類で「マンティコア」や「ぬえ」はキメラに分類されると思うのだが、間違った認識かな?

家にある百科事典を調べても、実在しない幻獣は出てこなかった。
挿絵入りのファンタジー小説を数冊読んでも、出てこない。
海外ファンタジー映画「タイタンの戦い」を観ても出てこない。
当時の日本では、ファンタジーは流行っていなかった。
結果、澁澤龍彦氏の著作と運命的な出会いをした。
ファンタジー小説でも出てこない、当時の博物誌(百科事典)に載っていた鼻行類やモケーレ・ムベンベなども興味を惹かれた。
マンティコアのイラストも載っていた。
そうか! こんなモンスターだったんだ!
結果として。
マンティコアを知るために、他の幻獣たちを知ることも出来た。
シルフとニンフとフェアリーの違いは出典の違い。
全部、大分類としてはフェアリー(妖精)に含まれるとかも分かった。

日本でのファンタジー小説流行のはしりは「ロードス島戦記」だと思う。
後に出版された「モンスター辞典」とかも、スタジオSNE絡みだ。
安田均さんって、凄いね。
D&D絡みが原点なのでビホルダーとか版権物のモンスターもいたけど、大きな貢献だったと思う。
――おかげで、単行本で「鈴木土下座衛門」になったビホルダーもいたなあ、しみじみ。

こういう紐づけされた記憶は、長期記憶になりやすい。
同時期に澁澤龍彦の著作を片っ端から読んだので、ケルト神話やギリシャ・ローマ神話関連のメデューサやミノタウロスとかも詰め込んだ。
ついでに。
ラブクラフトのクトゥルフ神話。
クトゥルーともズールールーとも読まれる。
著者が「読めない綴り」の造語を使用したので、なんと読んでもOKっぽい。
もっとも。
カラー図解の高価な本だったので買えず、内容自体には詳しくない。
TRPG「クトゥルフの呼び声」もやってないので、「名状しがたきもの」とか「バイアクヘー」等の厨二要素を満たす単語しか知らない。
とてもではないが、「識ってる」とは言えない。
まあ。
ニャルラトホテプが、その二十余年後に萌えキャラになるとは思っていなかったが……。

こういった紐づけから派生した長期記憶は、忘れにくい。
格好良く書いたが、「オタク気質の人は、とことん調べるので長期記憶が多くて一ジャンル(大抵、無駄な知識)において雄弁で博識である」とも言い換えられますけどね。
とほほ。

こほん。
話を現在に戻すと。
外付HDDに頼りすぎる人間は、短期記憶しか持てずに「スマホ無しだと生きられなくなる」んじゃないかな? と思う。
いや、全然問題は無いのだけれど。
単なる「時代についていけない爺さんの、妬み・僻み・嫉み」と受け取ってもらって良いのですよ。

でもね。
種としての人間が、短期記憶しか持たずに世代を重ねると、脳が退化していくんじゃないかなあ、とか。
だって。
「洗濯機」を「せんたっき」と入力しても、変換できる時代です。
雰囲気(漢字なら誤読しようがないが、ふんいき)も、家人のMACだと「ふいんき」と入れてもサジェストで「雰囲気」が出てくるらしいし。
イデアがロゴスを打ち負かす時代が到来してるんです。

人間が間違えても勝手に修正してくれちゃうんだから、間違えたままでも大丈夫! って怖くないですか?
「気の置けない友人」って、信用できない友人じゃないですよ?
これは。余りに誤用が浸透してしまったので、新しい日本語として定義が変わるかも知れませんがね。

私も、すべての単語を正しく使っている自信はありません。
有名どころでは「確信犯」とか「すべからく」とか、自分が正しく理解している自信が無いと「認識できている」単語は、なるべく使わない。
※ここだけは間違えちゃいけないと思って『ネットで調べた』ら、「恣意的」とか「閑話休題」とかは私も誤用していた、しょぼん……

漫画の「俺に挑もうなんて百万光年、早いゼ!」みたいな故意の誤用。
当初は、知的眼鏡キャラが「それ、距離の単位ですけどね……」ってヤレヤレ顔でツッコンんでた。
それがテンプレート化されると、熱血正義漢キャラの「少しだけ、おバカな一面」としての演出になった。
光年が「距離の単位」であることは、みんな知っていることが前提だから、ツッコまなくてもいい。
でも、そのツッコミが無い時代が百年続いたら……。
流石に無いと思うが、今を生きる若者が「光年」を時間の単位だと思ってたとしたら。
「光年は、今や時間の単位なんだよ。いつの時代の人間だよ? クロマニヨン人かよオッサン!」とか言われたら、普通に泣いちゃう。
だって、オッサンなんだもん☆

「言葉は時代とともに変わっていく」ってのは百も承知です。
でも、明らかに間違えた言葉や誤用が容認される時代は来て欲しくない。
いち「日本語大好き人間」として。

でも。
オタク気質は今でも息づいている訳だし……。
杞憂なのかな?

近未来を、想像してみる。
脳に干渉するのは倫理的な問題を含むから、最初は「成人式」後に、利き手じゃない腕に小型スマホを埋め込めば人類が捗るのか知らん?
初対面でも利き手が分かる時代、到来!
更に時代が進んだら――。
乳幼児期に、割礼的に「スマホ的なチップ」を脳に埋め込む手術とかするようになったらSFだねえ。
SF大好きだから、こっちの方がワクワクするかな。
情報は網膜に投影される方向で、お願いしたい。
ただ。
全員が同じ知識を共有するってのは、ディストピアチックなSFだけど……。
漫画「コブラ」のワンエピソードみたく「ルールを破ると爆発する」とか、漫画「イキガミ」とかがモチーフになる世界になりそう。
特に。独裁者を産む土壌が整ってる国とかだったら、そうなりそう。

それとも、人の優劣の基準が変わるのかな?
海馬の関連付け検索機能(私が言うところの「脳内の抽斗」)の速さは重視されず、ネット検索が上手な子が優位に立ったりするのか知らん?

中学生くらいの時点でスマホが普及して持っていた、オタク気質の人はどうなのだろう?
後の歴史が、答えを出してくれるのでしょうね。
以上。

次回のテーマは、「詐欺と富裕層」について書こうと思います。

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