ぶっちゃけロングラン

イクラを熱すると、コチコチに固まってしまい、あまし美味しくないのは有名な話ですが(一部で)。
キタナカの尿酸値が常軌を逸する高数値を叩き出して、周りに憐れみの視線で見られているのも有名な話ですが。
「キタナカVSゴキブリ」の戦局が新たな局面を迎えた事実はあまり知られていない…。

キタナカ軍に新たに導入された兵器。
それは「慣れ」(重要です)。
そして、その「慣れ」に裏打ちされた「勇気」!

キタナカは、とうとう「ゴキブリが出た」という理由で、終日家を空けるようなフヌケた対策を放棄したのです。
そう! 戦う事を決意したのです!
「これはお互いの存亡を賭けた聖戦」なのです!

戦いは長期戦の様相を呈してきました。
相手は物量作戦にして心理戦。
慣れたとは言え、屠っても屠っても奴らの尖兵はやってくるので、若干こちらもメゲてきます(ま、引っ越してきてから、通算五匹程ですが)。

そんなある日。
それは昨日。
更に戦いは新展開を迎える。

キッチンに出現したゴキブリ。
慌てず騒がずキタナカは「ツーゴン(ムカデ殺しの殺虫剤の名前)砲」を用意します。
奴の退路を断ちつつ、スプレー。
わはは、チネ~!

その時です、奴が苦し紛れかモゾモゾと身を震わせ始めたのは。
俺は、完全に追い詰めた形だったので、油断していたのです。
そう!
「油断大敵火がボーボー」だったのです!

奴は飛んだ!
羽は飾りではなかったのです。
飾りじゃないのよ翼は、ハッハーン♪ だった訳です。
それは、死を厭わぬ飛翔。
彼は、その瞬間イカロスとなったのです。

俺はと言えば…。
「ウヒャオワゥアヒャ~!」
身も世もない悲鳴を上げて、逃げ惑ったのです。

ゴキブリこあい。
奴ら本気だ!
ダテに(種族として)長生きしてない。

という訳で。
「新たな戦局」は則ち、「ふりだしに戻る」だったりする訳で。
俺は日々、脅えて過ごす事を余儀なくされているのです。

――なんで、こっちに向かって飛んでくるかなぁ?

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