ユーガッタ真実

あ~、セックスしてぇ。
「それは本当かの?」
うわっ! 誰だアンタ?
「わしかの? わしはお主らが俗に言う『神様』じゃよ。キタナカよ、お主は選ばれたのじゃ。わしは、お主の願い事を叶えに来たのじゃ」
あ、もしもし警察ですか? 俺の家に「自称、神様」の不法侵入者が……。
「うをっ! 無駄に素早く国家権力に助けを求めるでない!」

大体さ、俺の部屋に突然現れるのは「お節介な幼馴染」か「恩返しに来た猫耳メイド」しか認めないっつの! ただでさえ高い「男密度」をこれ以上、上げられたら堪らんっちゅねん!
「ふむう、想像以上に難儀な奴じゃのう。これでどうじゃ?」
ぼわん☆(変身音)

うわぁい。猫耳メイドちゃんだぁ。
「それじゃ、話を始めるとするかの?」
ヤだ!
「どうしてじゃ! 何が不満なんじゃ?」
確かに、声まで可愛くなったのは認めるよ。でも、喋りが「じいさん喋り」じゃ興ざめなんだよねぇ。じいさん喋りが許されるのは「見た目はロリキャラだけど、実は300歳」とか、そういうキャラだけなの!
「じゃあ、どうしろと言うんじゃ?」
語尾に「にゃ」とか「みゃ」とか付けてくれなきゃヤだ…。しかも、無意味にハートマークや星マークを付けてくれなきゃ萌えない。あと、俺を呼ぶ時は「ご主人様」にすれ。
「『萌え』って!」
つ~ん!(あからさまに無視)
「ご……ご主人様☆これでいいかにゃ?」
照れがある! そんな事で「猫耳メイドの星」が掴めると思っているのか?
「は……はいぃ!」
今の、うろたえ振りはよかったぞ。うん、よしよし。
なでくりなでくり…。
「えへへぇ……、テレテレ。じゃないのにゃ! ご主人様、さっさと願い事を言うのにゃ!」

願い? それは、お前を食べちゃう事さあ!
「そんな『赤頭巾ちゃんの狼』じゃ、にゃいんにゃから!」
ふひひっひぃ。
「ひゃんっ! 尻尾を掴んじゃダメにゃ!」
ふふふ、猫耳ギャルは尻尾が弱いのは定石(セオリー)!
「力が抜けちゃうにゃ~☆」
ノリがいいな、お前……。

「ハッ! っつか、お主はわしの正体を知っておるんじゃろが! こんな事をしたらただではすまさんぞ?」
高慢ちきキャラもイイ!
「なんじゃ! コラコラ、スカートをめくるでない! あぁんそんなコトされたら妾は! 妾はっ、っんっ!」(やっぱりノリがいい)

…。
…なんてことを考えながら、通勤中のキタナカさんな訳です。
まさか周りは、こんな事を考えてるとは気付くまいて。

――そりゃあな。こういう人間を「思想犯」と言うべきではないだろうか?

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