POISON RAY

柱の傷は一昨年の~♪ 五月五日の御深剣流皆伝の儀、「空刀鉄窯斬り」の痕に御座る。
拙者、あのように凄惨にして酸鼻な光景を目にしたのは初めてに御座る。
恐るべし、御深剣流!
どうも。
片眉剃って山篭りするのが趣味なキタナカヒロユです。
日課は、雨でヨレヨレになったエロ本拾いです。

「ポツリと一日書いたくらいで、復帰を語るなど片腹痛いわ!」
なんて、持久走(体育の授業、五キロ)の後、魔王に言われたのです。
いや。それは、むしろ「脇腹が痛い」んじゃないか? とか思いながらも、もっともな話だと納得もした。
「あ、あぁ…。あんがとな」なんて、恋愛ゲームの主人公っぽく答えます。
「べべ別に、お主が元気なさそうだから言っただけなんじゃからな!」
視線を俺から外しながら、顔を真っ赤にする魔王――。

最初は、そんなつもりは無かったけどさ。
もうね、この辺になってくるとですよ?
いつもの通り! 俺だけじゃ無くて皆さんの中にいる「魔王」像も、ロリ婆キャラになってるハズなんですよ。
小柄で銀髪で肌が蒼くて耳が尖ってて金色の瞳で瞳孔縦割れ小娘がですよ、体操服姿で汗をかいてる訳です。
新機軸! 新鮮!(陽光を受けて、キラキラと光る瞳)
ね! そうでしょ?

おまいが言うコトも、もっともだけどもよ。
「?」
魔王ともあろうおまいさんが、たかが「五キロの持久走」ごときで息を上げてるなんて、部下には見せられんな。
「む! 妾(わらわ)は闇の眷属、陽の下に居るだけで消耗するのじゃ!」
ぷっ。
「今、妾を見て笑わなかったか?」
…あはは! 「わらわをみてわらわなかったか?」って! それって駄洒落なのか? 魔界ジョーク?
「もう知らん! 次の新月の晩、人間界に総攻撃を仕掛けるからな!」
物騒だなヲイ!
「お主が悪いんじゃぞ! 妾がタナカのことを、真剣にしんぱ…あ!」
(ニヨニヨ)ほうほう。偉大なる魔王様が、俺のことをしんぱ…
(遮って)「シンパシィじゃ! ど、『同情』しとったんじゃ! 勘違いするでない!」
へいへい、下賎の輩ですからな俺は。同情いただき、ありがたき幸せにございますよ。

「う…うむ! そうして素直になるならば、妾も考え直さないでもないぞ」(「むっふー」て顔)
あー。ったく、難儀な奴だな(ぼそり)
「ん? 何か言ったか?」
いえいえ別に何も。あ、魔王様。尻尾がパタパタ振れてますよ?(もちろん、細くて先っちょはトランプのスペード型です)
「!」(真っ赤)
痛い痛い! 噛~む~な~!!

そんな妄想をして、ニヤケてるキタナカさん。
そんな妄想が展開して、身悶えているキタナカさん。
この上なく、愛おしく思えませんこと?
まあ。
俺はとっくに愛おしくて、鏡を眺めながらニタニタしつつ、でも「さよなら」は言えなくて、最後まで笑顔のままって決めてたんだけどな…なんて涙目で訴えられたら抱きしめてしまうじゃないか! なんて奇麗事を言いながら実際は下半身に忠実な行動を取ってるに過ぎないイケメン気取りでキシメンを喰らうX-MENな訳。
ってか許せ!
許せないなら、首の辺りを甘噛みしろ。
「ひゃぅん☆」とか声上げるから。
上げ流川。
左手は添えるだけだから。

そんな、シャイでチェリーボーイな俺だからこそ。
「万年モテ期」な人生を満喫している訳です。
●モテ期な証拠
・コンビニ姉ちゃんがお釣りを渡す時に、俺の汗ばんだ手に触れないように投げ気味で渡す
・電車の中で近くに座った女子高生が、眉をひそめて俺から遠い席に移動
・近所の公園で娘さん連れの母親が、俺を見て慌てて娘の手を引いて公園から帰っていった
まったくヤレヤレだぜ。
みんな、照れ屋さんなんだからなー。
ヤベー俺の時代到来の予感がギュンギュンします!(今さらウララです)
ん?
あれ?
なんだか目から汁が出てきたよ?
別に泣いてる訳じゃないからな!
うわぁぁぁん。

あ。
最後に、真面目な話なんだけどさ。
「コッコ支出金」って書くと、動物が住んでる村の役所の金みたくね?

――真面目じゃない。(御深剣流の師範代が、一刀両断)

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